『モネ トレジャー・ボックス』


『モネ トレジャー・ボックス』
31.5×30.8cm/88ページ
日本語/刊行2008年
著者/マイケル・ハワード
訳/朝岡あかね
日本語版監修/岡村多佳夫(東京造形大学教授)

世界中で愛される画家クロード・モネ
その貴重な資料をふんだんに閉じ込めた“宝箱”

印象派を代表する画家クロード・モネ。まばゆいばかりの光に満ちあふれた初期の風景画、そして観る者を幻想の世界へと誘う晩年の連作《睡蓮》など、その名を聞けば、誰もが作品のイメージを思い浮かべられるほど、モネの芸術は、世界中の人々に愛されています。

日本でも今なおモネは5本の指に入るほどの人気画家で、MMFwebサイトでもこれまで何度かにわたって、特集を組んできました。書店にもモネの関連書籍は数多く並んでいますが、なかでも、一昨年末に発売された本書は異色のモネ本といえるでしょう。
 特筆すべきは、「トレジャー・ボックス(宝箱)」の名にふさわしい、その豪華な付録の数々。手紙やスケッチのレプリカから、モネの洗礼証明書や婚姻証明書、モネ家の国勢調査表から植物の購入記録、さらには画商との取引記録まで──およそ30もの貴重な資料が、まるで本物のような古色で再現され、袋とじにされています。

巻末の日本語訳を参照しながら付録を眺めるだけでも楽しめますが、86年に及ぶモネの人生が、およそ90ページに簡潔にまとめられており、モネの入門書としても役立つ一冊です。160ものカラー図版とともに、クロノロジカルに人生をたどりながら、その画業の変遷を丁寧に紹介。同時代を生きた画家や文人などにスポットを当てたコラムも併せて収録した、重層的な造りになっています。


 
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