ニュイ・デ・ミュゼー美術館の夜
輝くミュゼで楽しむ特別な一夜。ポンピドー・センターの「美術館の夜」
「夜の光」をテーマに老若男女を酔わせるイベントが盛りだくさん。
ポンピドー・センター1F
エントランスホール
ヨーロッパ30カ国、約1150の美術館が賛同して繰り広げられたイベント「美術館の夜」。フランスは提唱国だけあって、国内だけで1000ものミュゼが参加しました。いずれのミュゼもそれぞれの特性を活かしながら、共通テーマである「夜の光」を表現しています。「歴史的に、芸術的に、精神的に、文学的に、象徴的に、科学的に、技術的に…」と提案書にあるように、朗読やダンス、映画上映など、さまざまな試みがなされました。ポンピドー・センターは、夜7時30分より夜中の1時まで、子供用、一般用、成人用と芸術的見地からテーマを追求する5つの特別イベントを展開。夜11時を過ぎても、外には入場を待つ人々が列を作るほどの盛況ぶりでした。
子供たちにアート心をともすアトラクションやワークショップ。
子供のためのプログラム
「オンブラマシオン」
子供用のイベントとしては2歳から5歳の「蛍光ランプをオブジェの中を照らしてみよう(Des lucioles pour mettre en lumière une oeuvre du musée)」と6歳から10歳までを対象とした「オンブラマシオン(Ombramation)」が行なわれました。「蛍光ランプ…」は子供達に小さな蛍光ランプを渡し、光を使った常設展のオブジェを訪れて、最後はデュビュフェの「ジャルダン・ディヴェール」の中を照らすというもの。黄緑に光るランプを持った子供達が歓声を上げつつ、デュビュフェの彫刻の中を行ったり来たりします。「オンブラマシオン」は、暗闇の中で、携帯ランプやクリスマスのオーナメントなど光が出るオブジェを撮影し、そのイメージを元にさらなるクリエーションを重ねて行くワーク・ショップ。子供への美術啓蒙はポンピドー・センターの重要目的。この夜もしっかりと小さな心にアートへの興味をかき立てたようです。
未知の自分を再発見する実世界へ、光がナビゲート。
ナタリー・ジュノ・ポンサールのインスタレーション
この日の特別展示として、ナタリー・ジュノ・ポンサールの光のインスタレーションが、エスパス・エデュカティフにお目見え。「トランス→ライト→エアー(Trance→Light→Air)」というタイトルで、観客はピンクやブルーの光の部屋を通って、青と赤、そしてコンピュータの画面に飛行機の窓が映っている別室へ導かれて行きます。ブライアン・イーノの「ミュージック・フォー・エアポーツ」が流れる別室にはクッションが置いてあり、人々は座ったり、床に寝転んだり、リラックスしながら、仮想の空旅が楽しめるしかけも。「現在、日常的環境において、私たちの体はすでに実験的な状態に置かれている。それをつきつめて、メンタルな隔離を生み出し、自分の意識、そして世界を再発見するための超現実的な空間を作り出したかった」とはポンサールの談です。
ビデオ・アーティストによる「光」をテーマにした作品を一挙上映。
エスパス・ヌーヴォー・メディアの
ビデオ上映
成人用プログラムとして、エスパス・ヌーヴォー・メディアでは、夜の9時から「アーティスト・ビデオの中の光(Lumières dans les vidéos d’artistes)」と銘打った解説付きのビデオ上映を行なわれました。これは「イメージの基本的存在としての光」「自然光/人工光」「露出過度、失明」「闇/黒」の4つをテーマに、ビデオの黎明期である1960年代からの作品を紹介していくというもの。ビル・ヴィオラ、ブルース・ニューマン、チェリー・クンツェル、ジャン=バプティスト・モンディーノ、マリーナ・アブラモヴィックなどのアーティストの作品が紹介されました。一般がアクセスできるオーディオ・ヴィジュアルの施設、エスパス・ヌーヴォー・メディアの面目躍如の画期的なプログラムで、立ち見が出るほどの人気を博していました。
表現素材としての「光」に刺激される、現代創作の光のアート史。
常設展示室「1960年から今日まで」のフロアでは、光を使った作品を巡るガイド・ツアーが行なわれました。題して「現代創作における光(Lumière dans la création contemporaine)」。取り上げられた作品は『ルミノダイナミズム』の発明者であるニコラ・ショッファーのプロジェクション、サルキス、トビアス・レーベルガーのランプ群、マリオ・メルツの発光数字とワニのオブジェ「クロコダイル・フィボナッッチ」、ドミニク・ゴンザレス=フォルスターの「あべこべ」、イタリアのデザイナー、ミケル・デ・ルッチのランプなど。いずれも発光、もしくは投影された作品で、造形美術における素材としての光、その意味などをガイドが説明。ますます多様化する現代美術の光の存在をクローズ・アップして見せてくれた好企画でした。
1. Tobias Rehberger
[Outsiderin et Arroyo grande 30.04.02 -11.08.02, 2002]
2. Dominique Gonzalez-Foerster
[A rebours, 1993]
3. Agam
[Aménagement de l'antichambre des appartements privés du Palais de l'Elysée pour le Président Georges Pompidou, 1974]
4. Nicolas Schöffer
[Sculptures, projections, peintures, 1956]

© Andoreas Licht
所在地:
19, Plateau Beaubourg 75004 Paris
休館日:
火曜日、5月1日
開館時間:
午前11時〜午後9時
図書館は午後10時まで
入館料:
常設展
7ユーロ(割引5ユーロ)
特別展
7ないし9ユーロ(5ないし7ユーロ)
1日券(常設+特別展)
10ユーロ(8ユーロ)
URL:
www.centrepompidou.fr
<展覧会情報>
6月6日まで
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
8月29日まで
ロベール・マエ−スティーヴン
5月25日から8月15日まで
イサーク・ジュリアン
5月25日から8月8日まで
アフリカ・リミックス

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。

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