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ブルゴーニュ・ワインの首都ボーヌ

フランスのブルゴーニュ(Bourgogne)地方といえば世界的に知られたワインの産地です。
特にディジョン(Dijon)からボーヌ(Beaune)を経てサントネー(Santenay)を結ぶ約50kmに渡るエリアは、
コート・ドール(Côte d'or=黄金の丘陵)と呼ばれ、特級酒を生み出す丘陵地が続いているため、
別名グラン・クリュ(Grand Cru=特級)街道とも言われます。
その中心に位置するボーヌは、14世紀までブルゴーニュ公国の首都として栄えた街でした。
毎年ワインの競りが行われる施療院やワイン博物館、また多くのカーヴがあり、
現在は“ブルゴーニュ・ワインの首都”として知られています。

城壁に囲まれた情緒あふれる街

▲ボーヌの美しい町並み。

 ブルゴーニュは地味に恵まれ、ワインと豊かな農産物の産出地として、また古くからヨーロッパの南北東西を結ぶ交易の地としても栄えてきました。14世紀になってフランス王の弟、フィリップ豪胆王(Philippe le Hardi)がブルゴーニュ公国を引き継ぎ、フランドルの王女と結婚してからはベルギー、オランダ方面にまで領地を拡大し、その後1世紀の間続く公国の黄金時代を築きました。贅を好んだ大公たちは、その潤沢な富を背景に多くのものをこの地にもたらしました。とりわけ、フランドルから芸術家や職人を招いてこの地で創作にあたらせたため、建築をはじめとする芸術の面で素晴らしい飛躍を遂げました。

 大公が14世紀にディジョンに居を移す以前、公国の首都はボーヌに置かれていました。中世の城壁に囲まれた縦800m、横600mの小さな旧市街には、石畳の道が続き、ゴシックやルネサンス時代に造られた家々が今も残されています。なかでも、15世紀に建てられた施療院や大公の居住跡を博物館にしたブルゴーニュ・ワイン博物館、ノートルダム教会などはぜひ訪れてみたい場所です。

▲ボーヌに残る14世紀の城壁。   ▲ノートルダム教会。13世紀のロマネスク様式も残るが、大部分は14世紀に建造された。
▲ブルゴーニュ地方のワイン畑。

 ボーヌは<グラン・クリュ(特級)>のワインの産地として知られる<コート・ドール>の真ん中に位置することから、“ブルゴーニュ・ワインの首都”として多くの人々を集めています。街には40以上のカーヴがあり、試飲を楽しむことができます。毎年11月の第3週に行われる『栄光の3日間』というお祭りはとりわけ有名で、中日に施療院で行われる競りの価格でその年のブルゴーニュ・ワインの価格が決まるという大切なイベントです。

 ブルゴーニュのワイン作りは、ローマ時代に始まり、現在ではボルドー(Bordeaux)と並ぶ格式の高いワインの産地として世界にその名を馳せています。なかでも、ディジョンからボーヌを経てサントネーを結ぶ地域<コート・ドール>は、グラン・クリュを生み出す畑が集中していることから、「神に祝福された土地」と呼ばれています。ヴォーヌ・ロマネ、ヴィージョ、ニュイ・サン・ジョルジュ、アロース・コルトン、ピュリニー・モンラッシェなどの村が銘酒を作り続けています。この地の赤ワインは洗練された味わいを持ち、ピノ・ノワールという1品種のぶどうのみ、白ワインはすっきりとした辛口でシャルドネのみを使って作られています。これは法律で決められており、これを満たしていないものはコート・ドール産を名乗ることができません。優れたワインは、長い年月の間、自然の恵みと作り手のたゆまない努力によって生まれたものなのです。ボーヌを訪れたなら、ワインという名の、神と人間の創造物をぜひ味わってみてください。

▲施療院の隣にあるボーヌ最古の『カーヴ・デ・コードリエ』。13世紀建造の修道院だった。   ▲『カーヴ・デ・コードリエ』の内部。施療院建設のために領地を売却したとか。
田中久美子(Kumiko Tanaka/文・写真)
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神々に祝福された土地 ブルゴーニュ・ワインの首都ボーヌ

ボーヌのアートスポット 施療院

ボーヌのアートスポット ワイン博物館

周辺マップ

ボーヌ基本情報

  • リヨン(Lyon)駅からTGVの直行で約2時間10分、ボーヌ(Beaune)駅下車。フランス中東部、ブルゴーニュ地方の小都市ボーヌは、古代ローマ時代に建設され、以降、現在に至るまでワインとともに歩んできた歴史ある街。見どころは中世の城壁に囲まれた旧市街に集中しており、市内のカーヴでは試飲も楽しめる。世界各国の人々が集まるワインの祭り『栄光の3日間』、2009年は11月13日から15日まで。
  • ボーヌ観光局
    http://www.ot-beaune.fr/

ノートルダム教会

  • 所在地
    Place Général Leclerc
    21200 BEAUNE
  • Tel
    +33(0)3 80 24 77 95
  • Fax
    +33(0)3 80 24 56 20
  • 見学可能時間
    <4月17日〜5月31日まで>
    ・月曜から土曜日:9:30-12:30、14:00-17:00
    ・日曜・祝祭日:13:00-17:00
    <6月1日〜9月30日まで>
    ・月曜から土曜日:9:30-12:30、14:00-19:00
    ・日曜・祝祭日:13:00-19:00
    <10月1日〜11月1日、11月6〜8、 13〜15日>
    ・月曜から土曜日:9:30-12:30、14:00-17:00
    ・日曜・祝祭日:13:00-17:00
  • 教会が所蔵する15世紀のタピスリーをできるガイドツアーもある。
    ・一般:2.5ユーロ
    ・11〜18歳:1.5ユーロ

MMFで出会える ブルゴーニュ地方の美

  • MMFインフォメーション・センターでは、施療院やディジョン美術館の図録のほか、ブルゴーニュ地方に関するガイドブックなどを閲覧いただけます。

 

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。