「ヴェネツィア派の競合:ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ…」

ミュゼマップで美術館情報を見る
ティツィアーノ《鏡のヴィーナス》1555年頃
© MBA, Rennes, Dist RMN / Adélaïde Beaudoin
ヴェロネーゼ《アンドロメダを救い出すペルセウス》1584年
© MBA, Rennes, Dist RMN / Adélaïde Beaudoin

 16世紀ヴェネツィアの偉大な画家たちの作品が一堂に会し、画家同士の競合関係を明らかにする展覧会。16世紀は、ヴェネツィア共和国の公式画家であったティツィアーノ(Titien)が中心的地位を占める一方、バッサーノ(Bassano)、ティントレット(Tintoret)、ヴェロネーゼ(Véronèse)、パルマ・イル・ジョーヴァネ(Palma il Giovane)ら若い世代も登場し、活躍しました。また、世紀後半には、イタリア中部の芸術的発展の影響により、ヴェネツィアで好まれた主題を扱いながらも、独創的な描き方が生まれました。

 展覧会は年代別・テーマ別に構成され、1540年以降のヴェネツィア絵画の発展の軌跡を巡ります。「黄金の世紀」のヴェネツィアらしい主題の作品85点が展示室を彩ります。特にこの時代は、ヴェネツィアの三大画家が当時流行したテーマを同じ時期に扱った特異な時期です。「創意の天才」ティツィアーノは絵画様式を絶え間なく刷新し、「精力溢れる天才」ティントレットは超人的エネルギーをもつ芸術を熟成させます。そして、「装飾の天才」ヴェロネーゼはその色遣いとアポロン的平静は20世紀まで多くの芸術家たちをひきつけました。

 今回、ティツィアーノの《うさぎと聖母》をめぐるマルチメディアのインスタレーションが、絵画部門常設展示の「今月の絵画」の展示室(リシュリュー翼3階)に設置される予定です。ルーヴル-DNPミュージアムラボの成果であるこれらのマルチメディアの装置は、造形的または図像的に作品を分析し、作品を読む鍵を提示します。そして鑑賞者はあたかも絵画のなかに没入したように感じながら、作品の細部まで発見できることでしょう。

戻る
10月始まりのクローズ・アップ展覧会

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。