• 古代ローマからの歴史を紡ぐ、古都リヨン
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絹織物の都リヨンに咲いた美しき芸術の花

パリから南仏プロヴァンスへ向かう高速道路「太陽高速(Autoroute du soleil)」を南へ約450km。パリ・リヨン駅を発するTGVに揺られること2時間ほどで到着するのが、古代ローマ時代からの古都リヨンです。絹織物産業で繁栄したリヨンは、現在でも産業の街として知られ、その富は芸術の発展にも寄与してきました。リヨン美術館は、フランスの地方美術館のなかでも、百科全書的な充実したコレクションで知られています。

古代ローマからの歴史を紡ぐ、古都リヨン

▲フルヴィエールの丘、古代ローマ時代の円形劇場。
© Thioc, J.-M. Degueule, Musée gallo-romain de Lyon, France

ローヌ川とソーヌ川が合流する場所に拓かれたリヨン。ふたつの川に挟まれた地域は古来、物資が往来する街の中心として繁栄してきました。古代ローマ時代には、ガリア(古代ローマ時代のケルト人居住地域)で最も栄えた都市となり、将軍カエサル(Gaius Julius Caesar)はガリア遠征の前線基地をこの地におきました。ソーヌ川西側のフルヴィエール(Fourvière)の丘には、当時の繁栄を今に伝える円形劇場など、古代ローマ時代の遺跡があります。

また、この丘のふもとにある中世からルネサンス時代の面影を残す旧市街は、ユネスコ世界遺産に登録されています。5世紀以降、リヨンには修道院や教会が相次いで建てられました。なかでもサン=ジャン大司教教会(Primatiale Saint-Jean)はロマネスクとゴシック建築の傑作といわれています。また、フルヴィエールの丘にそびえるように建つノートルダム・ド・フルヴィエール聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)は、1872年から1896年にかけて建造されたもので、内陣はモザイクや彫刻、ステンドグラスで荘厳に飾られています。

▲ノートルダム・ド・フルヴィエール聖堂。
▲ノートルダム・ド・フルヴィエール聖堂の内陣。

リヨンが世界的な絹織物産業の街として知られるようになったのは、16世紀以降のことでした。フランソワ1世(François Ier)の時代、イタリアから絹がもたらされたことに端を発しますが、この時、絹とともにアルプスを越えて伝わったのがルネサンス文化でした。以降、リヨンではフランス・ルネサンスの芸術が花開くことになります。そして歴史的建造物に指定されている17世紀に建てられた市庁舎(Hôtel de Ville)のすぐ隣にあるのが、この街が誇るリヨン美術館です。

Update : 2010.3.1
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リヨン基本情報

フランス南東部、ローヌ・アルプ地方の中心都市リヨンは、パリに次ぐフランス第二の都市。
古代ローマ時代から続く古都の顔と、現代都市のふたつの表情をもち、「美食の都」としても知られる。
パリ・オルリー空港もしくはシャルル・ド・ゴール空港から約1時間。パリ・リヨン駅からTGVで約2時間。
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