GINZA-ART LINK [ 銀座界隈で出会えるアート ]
銀座界隈アートスポット巡り vol.12

メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MMF)のある銀座界隈には 企業が運営する美術館やギャラリーなどが、数多く点在しています。銀座のMMFにお越しの際、併せて訪問いただきたい、こうしたアートスポットをご紹介してまいります。

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第12回 ノエビア銀座ギャラリー~息をのむほど美しい自然の造形美~宮澤正明写真展「蝶 LIVING IN JAPAN」

今回訪れたのは、銀座7丁目のMMFのほど近く、並木通り沿いにあるノエビア銀座ギャラリー。 2007年のオープン以来、ジャンルにとらわれないさまざまな企画展を開催しているアートスペースです。開催中の写真展「蝶 LIVING IN JAPAN」では、息をのむほど美しい世界が広がっていました。

 

ノエビア銀座ギャラリーNOEVIR GINZA GALLERY

  • 開設企業
    株式会社ノエビアホールディングス
  • 所在地
    東京都中央区銀座7-6-15
  • Tel
    0120-401-001
  • 開設年
    2007年
  • 運営コンセプト
    「時代を超えて価値あるもの」をテーマに、さまざまな企画展を開催。アートを通じて「女性の内面の美」に貢献することを目指す。
  • 開催中の展覧会
    宮澤正明写真展「蝶 LIVING IN JAPAN」
    2012年9月3日(月)~11月7日(水)
  • 入場料
    無料
マップ
  • アクセス
    東京メトロ丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」から徒歩5分、銀座線「銀座駅」から徒歩8分。JR・銀座線「新橋駅」から徒歩5分。
  • 開館時間
    平日 10:00-18:00
    土曜日・日曜日・祝日 10:00-17:00
 

内面からも「女性の美しさ」に貢献するために

▲銀座7丁目、並木通り沿いにあるノエビア銀座ギャラリー

 ノエビア銀座ギャラリーがオープンしたのは、2007年6月のこと。その背景には、女性の美を追求する化粧品会社ノエビアならではの思いがありました。「化粧品は女性の外見だけでなく、内面をも輝かせるもの。さらに、内面から女性の美を育むような社会貢献ができないか」と考え、アートを楽しんでもらうための空間を作るという企画が立ち上がりました。見る者を非日常へと誘ったり、感動させたり、前向きにさせたりする力を持つ「アート」との出会いの場を提供したいと考えたのです。そして、「モボ」や「モガ」が闊歩した大正の昔から、文化や流行を発信し続けてきた銀座に位置する本社ビルの1階を利用して、ギャラリーを開設することになりました。

▲吹き抜けのある開放的な空間に作品が展示されている

 年に4~5回開かれている企画展に共通するのは、「時代を超えて価値あるもの」というテーマ。2007年のギャラリーオープン時には、1987年から11年間、ノエビアの広告のアートディレクションを手がけた亀倉雄策氏の「没後十年記念展」を開催し、話題を集めました。その他、「書家『紫舟展』」「滝平二郎の版画ときりえ展」「土門拳『女人高野室生寺』展」「シャガール アートポスター展」など、絵画から書、版画、写真、ポスターまでジャンルを問わず、銀座を訪れる女性たちの感性に訴えかけるような多彩な展覧会が企画されています。


百花繚乱!アートに生まれ変わった日本の蝶たち

▲表通りに向けて飾られた作品と展覧会のポスター

 ノエビア銀座ギャラリーは、一面ガラス張りのファサードで、白をベースとした明るい空間。数ある銀座のギャラリーの中でも、とりわけ開放的な雰囲気です。取材時に開催されていたのは、「宮澤正明写真展『蝶 LIVING IN JAPAN』」で、道行く人々が鑑賞できるよう、大きな作品が表通りに向けて飾られていました。

 黒い背景に蝶が乱舞するその写真に誘われるように、ギャラリーの中に入ってみると、そこには、息をのむほど美しい蝶の写真の数々が飾られていました。従来の蝶の写真といえば、図鑑のための写真、あるいは自然の一部として蝶の姿を捉えたものがほとんどでした。


▲今回の展示作のひとつ
「FAMILY シジミチョウ」
撮影:宮澤正明

▲撮影は、50年にわたる蝶のコレクションを持つ研究者の協力を得て行われた

 ところが、ここに展示されているのは、真っ白な背景に円形に配された蝶や、美しい絵画のように額縁に収まった蝶など、これまでに見たことのないスタイル。
 それは、宝石のように美しい蝶だけを用いて構成した、グラフィックアートともいえる世界です。しかも、撮影されたこの多彩な蝶たちがいずれも、日本に生息するものばかりというのだから驚きです。


▲写真家宮澤正明氏の、今回の作品に対する思いが綴られている

 宮澤正明氏は、日本の原風景の撮影をライフワークとして活動する写真家。来年、第62回式年遷宮を迎える伊勢神宮の奉納写真家としても知られています。その宮澤氏が、「神が与えてくれた最高の芸術品」である蝶の最も美しい表現を探してたどり着いたのが、こうした作品群だったのです。
 芸術に触れ、感性を磨くことで内面からの美を育む空間「ノエビア銀座ギャラリー」。クリスマス・イルミネーションに輝く並木通りにぴったりの企画を用意しているという次回の展覧会も目が離せません。


ギャラリー担当者からのメッセージ

「銀座のギャラリー」というと中には敷居が高く思えるような場所もあるかもしれませんが、ここは社会貢献の一環として運営しているギャラリーです。お散歩気分でお入りいただけるような空間を目指していますので、待ち合わせやショッピングの合間に、ぜひ、お立ち寄りください。アートで満たされたこの空間で、気軽に美との接点をお持ちいただけたら嬉しく思います。
ノエビア銀座ギャラリー担当 鈴木準子

 
 

Update : 2012.11.1

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