GINZA-ART LINK [ 銀座界隈で出会えるアート ]
銀座界隈アートスポット巡り vol.14

メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MMF)のある銀座界隈には 企業が運営する美術館やギャラリーなどが、数多く点在しています。銀座のMMFにお越しの際、併せて訪問いただきたい、こうしたアートスポットをご紹介してまいります。

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第14回 ミキモトホール 「美しく豊かな生活文化の創造に貢献したい」真珠王の願いの宿るアートスペース

日本が世界に誇るジュエラー、株式会社ミキモト。今回は、銀座4丁目のランドマーク、ミキモト本店の6階にあるミキモトホールを訪れました。文化を発信する場としての機能も持つこのスペースは、現在のビルに建て替えられた1974年に開設され、さまざまな企画展を年7~9回程度開催しています。

 

ミキモトホール MIKIMOTO HALL

  • 所在地
    東京都中央区銀座4-5-5
    ミキモト本店6階
  • Tel
    03-3535-4611
  • 開設年
    1974年
  • 運営コンセプト
    「世界中の人々の美しく豊かな生活文化の創造に貢献する」を企業理念とし、さまざまなテーマの企画展を開催している。
  • 次回開催の展覧会
    「輝きを紡ぐパールネックレス展」
    2013年3月22日(金)~5月6日(月・祝)
  • 観覧料
    無料
  • 休館日
    無休(年末年始を除く)
マップ
  • アクセス
    東京メトロ銀座駅A9出口 徒歩約1分
  • 開館時間
    11:00~19:00
  • 運営企業
    株式会社ミキモト
 

宝飾品の美を伝え、新しい文化を発信する銀座4丁目のランドマーク

▲銀座4丁目、中央通りに面して建つミキモト本店

 ミキモトが誕生したのは、明治時代のこと。後に“真珠王”と呼ばれることになる創業者の御木本幸吉(みきもとこうきち)氏は、故郷・伊勢志摩の産物であるアコヤ貝の保護と増殖、養殖を行い、1893(明治26)年に世界で初めて真珠の養殖に成功しました。それまで、天然真珠は皇族や華族といった富裕層だけが手にできる高価なものでしたが、養殖真珠が誕生したことで真珠は一般の人にも手の届くものとなったのです。そして1899(明治32)年に、銀座(現・並木通り)に日本初の真珠専門店を開店し、その7年後には銀座4丁目の現在の地に移転しました。西洋化の途上にあった銀座の街にはまだ和風建築も建ち並ぶ中、ミキモトの店舗は極めてモダンな白い石造りの洋館で「真珠色の店」と呼ばれて注目を集めました。

▲玄関脇には創業者である御木本幸吉氏のレリーフが

 そして、創業から75年の時を経た1974年、ミキモトはこの地にアートのための空間として「ミキモトホール」を誕生させました。本店ビルの改装を機に、新しく文化を発信する場を提供したいと考えたのです。その背景には創業以来受け継がれてきた「美しく豊かな生活文化の創造に貢献したい」という思いがありました。本店前のスペースでは冬には高さ約10mものクリスマスツリー、春には桜の木など、季節の風物詩で道行く人々の目を楽しませてくれているのも、その精神に基づくものです。


国、時代、ジャンルを超えてバラエティ豊かな企画展を開催するスペース

▲「土井子供くらし館」コレクション展では、テーマごとに保存状態のよいおもちゃや服飾品など、約200点を展示

 表通りのショーケースに並ぶ宝飾品に目を奪われつつ店内に入り、エレベーターで6階のミキモトホールへ。取材時には、『子どもの暮らしが見えてくる 明治・大正のおもちゃ展―「土井子供くらし館」コレクション―』(2012年12月14日~2013年1月14日)と題された企画展が開催されていました。御木本氏の故郷である三重県にある「土井子供くらし館」(林業で財を成した土井家の当主が子どものために戦前、購入したおもちゃを公開)は、明治・大正時代を中心としたおもちゃや文具、服飾品を所蔵する資料館です。今回はそのコレクションの中から、当時は見る機会が少なかった動物の紙製標本やブリキや木のおもちゃ、服飾品、楽器、人形など、約200点のコレクションを展示していました。赤、青、紫色を使ったカラフルなイラストが描かれたパズルやカルタ、愛くるしい表情の人形などからは、当時の子供たちの遊びや暮らしぶりが伝わってきます。


▲晴れ着としてのバッスル型ドレスは、明治・大正期のファッションを知る上で貴重な品

 3月22日から5月6日まで開催される次回の企画展は、ミキモト真珠発明120周年を記念した「輝きを紡ぐパールネックレス展」。ミキモトのパールをはじめ、世界各国の貴族たちが愛したパールネックレスの歴史や文化を紐解きます。“世界のミキモト”にふさわしい華やかな企画展。どうぞ、お楽しみに。
 そして企画展を楽しんだ後には、下階でミキモトの宝飾品をご覧になってみてはいかがでしょう。「ハイジュエリー」を扱う4階には、白蝶真珠や黒蝶真珠をはじめ、ダイヤモンドやエメラルド、ルビーなど、女性なら誰しもあこがれる最高級品質の宝石を使った、ミキモトならではの繊細なデザインのジュエリーが並びます。宝石博物館を訪れたかのような気分に浸れるのは、ミキモト本店ならではの醍醐味かもしれません。

▲日露戦争前にフランスから購入した巡洋艦「あづま」をモデルにしたブリキの軍艦。ロシアのバルチック艦隊を壊滅させた海軍が子供たちの羨望の的となった

▲広々としたミキモトホールでは、さまざまな企画展が開かれる


担当者からのメッセージ

ミキモトホールは、「世界中の人々の美しく豊かな生活文化の創造に貢献する」という企業理念に基づき、文化を発信、紹介するスペースとして、国内外の優れた文化や芸術を幅広く紹介する企画展を開催しています。
3月22日から開催の「輝きを紡ぐパールネックレス展」では、御木本幸吉が120年前に養殖真珠を発明したことにより、広く一般に普及したパールネックレスの歴史をさまざまな角度からお楽しみ頂ける展示をいたします。この機会にぜひご覧ください。
株式会社ミキモト 広報宣伝部広報宣伝課 新堀 愛

 
 

Update : 2013.2.1

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