Dossier special - 海外の特集

MMM現地レポート パリ・デザインウォーク 2013 2013.9.9〜9.15

シャンゼリゼ通り沿いに掲げられた
デザインウィークの旗

フランス最大のインテリア・デザインの見本市、メゾン・エ・オブジェ(Maison et Objet)の関連イベント、「デザインウィーク」が今年の9月にパリで第3回目を迎えました。ギャラリーやショールームなど、パリのさまざまなスポットでデザイン界のトレンドを発見できる機会です。今年は1週間の会期中に、パリ市内の約150の場所で250人近いクリエイターによる最新のデザインが披露されました。MMMはデザインウィークを主催するSAFI(Salons Français et International)、また今回が初の参加となる、日本人の出展者に取材を行ってきました。

パリ・デザインウィーク主催者のSAFIより 日本へのメッセージ

▲今回メッセージをいただいたSAFIデザインウィーク担当フレデリック・セルフ氏(Frédéric Cerff)
©Yoko Masuda

 パリ・デザインウィークは、メゾン・エ・オブジェの主催者であるSAFIによって運営される、9月のメゾン・エ・オブジェの延長線上で行われるイベントです。その目的は、プロフェッショナル向けの見本市であるメゾン・エ・オブジェを、建築、デザイン、美食、芸術など、多方面で創造的なエネルギーを持つ街、パリへと展開させる点にあります。メゾン・エ・オブジェとは異なり、一般の方々にも大きく扉を開いているのがデザインウィークの特徴です。そのため市場向けの作品とはまた異なる質のデザインを発見できるかもしれません。
 今年日本の皆さんが出展するのは、ギャラリー・ゴスレ(Galerie Gosserez)

▲レセプション当日のギャラリー・ゴスレ外観

というパリの有名ギャラリーです。フォルムの面でも機能性の面でもシンプルさが際立つ日本のクリエーションは、ヨーロッパで大変人気があります。我々にとって日本はクオリティー、技術、礼儀、文化と同義と言っても過言ではありません。日本とフランスのアール・ド・ヴィーヴル(Art de vivre - 暮らしの芸術)の出会いは、デザインウィークの主催者として大変興味深く、また重要なものと感じています。

 

日本インテリアプランナー協会(JIPA)加藤精一副会長よりご挨拶

▲デザインウィーク参加にあたりプレゼンテーションを行う加藤副会長
©Yoko Masuda

 今回、メゾン・エ・オブジェの主催者であるSAFIの後援を得て、パリ・デザインウィークに初めて参加することになりました。「Japan Style & Design Now」をテーマに、日本の最新のデザインを発表します。今回の展示作品は、すべてデザイナーが一点ずつ作ったもので、ほとんどはプロトタイプです。日本のデザインのシンプルさ、やさしさ、またクオリティーの高さ、緻密さなどを感じ取っていただけたらと思います。パリ・デザインウィークは、若手のデザイナーを含む日本のクリエイターに作品発表の場を提供し、日本のデザインプロダクトを広く知っていただく機会です。初出展の今回にとどまらず、来年以降も継続して出展し、国際的なコンタクトを広げていきたいと考えています。

 

パリ・デザインウィーク出展実行委員長・草木義博氏より、出展概要について

▲取材にご協力いただいた草木実行委員長
©Yoko Masuda

 日本インテリアプランナー協会では、既にイタリアのデザイン見本市、ミラノ・サローネ(Milano Salone)に7回ほど出展しています。パリではサロン・デュ・ムーブル(Salon du meuble)に2度出展したことがありますが、パリ・デザインウィークは今年が初の参加となります。
 今回「日本デザインの今」というテーマのもと、和紙、ガラス、畳といったさまざまな素材を用いた16組の作家の作品が集められました。照明、椅子、屏風など、伝統的な日本の感性を持った作品を、いかに現代空間の中に溶け込ませるかが、参加者の共通のコンセプトです。
 パリ・デザインウィークへ参加するにあたり、出展作品の数々がフランス・パリに対するひとつの日本からのメッセージ、また生活提案となるのを期待しています。

 

草木氏の出展作品「衣の間、影の匂」

▲草木氏の展示作品「衣の間、影の匂」

 ミラノ・サローネへの出展の際もそうですが、テーマは一貫して日本の美意識です。以前和紙を使用した「紙の間」という作品を制作しましたが、今回は「衣の間」という作品で、シルクの作り出す光のグラデーションに挑戦しました。スチールのシャープな冷たい質感と、シルクの柔らかさの対比を狙った作品です。また作品名にある「影の匂」に関してですが、これは日本的情緒を意識したものです。古典でいうと、影というのは「光」、匂は「グラデーション」であり、「光のグラデーション」という意味が込められています。

▲畳、楓、ガラス、エコ素材、和紙、絹、白川砂、苔などを使ったプロダクトやフラワーデザイン、映像など幅広いジャンルの作品が展示されたギャラリー1階
▲日本の伝統的な和紙やヨシ紙など、マテリアルの美しさをコンテンポラリーデザインした作品が集うギャラリー地下1階の展示

 

 

 

 

 

 

 

 

日本インテリアデザイナー協会(JID)理事安藤眞吾氏より、今回参加の趣旨について

▲取材にご協力いただいた安藤氏
©Yoko Masuda

 既に何度も出展しているミラノ・サローネとは異なり、パリのデザインウィークへの出展は今年が初となります。そのため今回は訪れる人の要求や興味の持ち方を探る目的があります。作品を観にやってくる人の世代、リアクション、レベルといったものを肌で感じ、ミラノとは異なるパリでの需要と嗜好を感じ取ることが先決です。「日本的なアイデンティティ」というものは、日本人とヨーロッパ人ではとらえ方が異なり、その摺り合わせというのは1回だけではうまくいきません。デザインウィークに今後継続して参加することで、参加者はパリにおいてのプロダクトの方向性を見出していけるかと思います。

 

安藤氏の出展作品「タタミスツール」

▲安藤氏の展示作品「タタミスツール」

 こちらはミラノでも既に発表した、畳を用いた作品です。素材は実際のい草ではなく、プラスチックのファイバーを用いています。い草とは違い、中までしっかりと色が付くのが特徴で、織り方も標準の畳の6割幅と、間延びしない工夫がされています。このスツールを制作する以前に、同じ素材でタタミマットを床材として発表したところ、ミラノで好評を得ました。そこでさらにプレミアムな作品を作ろうということで、日本的な漆を用いたこのスツールを制作するに至りました。個人的な印象では、フランス人はイタリア人に増して畳への関心や理解度が高く、今回とても良いリアクションをいただいています。

 

日本インテリアプランナー協会・関西インテリアプランナー協会

URL:http://kipanet.jp
Mail:kipa@jipa.net

 

Update :2013.11.1ページトップへ

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