Ginza Art link - 銀座界隈アートスポット巡り

GINZA-ART LINK[ 銀座界隈で出会えるアート ]VOL.21

アートスポット巡り銀座界隈 GINZA-ART LINKVOL.21

メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド(MMM)のある銀座界隈には企業が運営する美術館やギャラリーなどが、数多く点在しています。銀座のMMMにお越しの際、併せて訪問いただきたい、こうしたアートスポットを中心にご紹介してまいります。

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第21回 JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」“古と新しい感性が融合した”東京大学の歴史的遺産

2013年3月、東京駅丸の内南口前の「JPタワー」低層棟に誕生した「KITTE(キッテ)」。「KITTE」は、日本郵便初の商業施設です。今回は、2・3階フロアにある、日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館による公共貢献施設「インターメディアテク」(IMT)を訪ねました。

JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」

メゾンエルメス フォーラム所在地
東京都千代田区丸の内
二丁目7番2号 JPタワー2・3階
Tel
03-5777-8600
(ハローダイヤル)
開設年
2013年
運営コンセプト
東京大学が1877(明治10)年の開学以来蓄積してきた学術標本や研究資料など、「学術文化財」を常設展示。静かでゆったり過ごせる空間を目指す。
URL
http://www.intermediatheque.jp/
観覧料
無料
アクセス
JR東京駅丸の内南口から徒歩約1分、東京メトロ丸ノ内線東京駅地下道より直結
アクセスマップ
休館日
月曜(ただし月曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始、その他館が定める日
開館時間
11:00〜18:00(木・金曜は20:00まで)
運営機関
日本郵便株式会社、東京大学総合研究博物館

東京中央郵便局が82年のときを経て新スポットとして再オープン

▲1931年に建設された東京中央郵便局の局舎を踏襲しつつ、2013年、「JPタワー」として生まれ変わった。低層棟の「KITTE」の2・3階部にインターメディアテクがある

 東京駅前の新たなスポットとして注目を集めているのが、2013(平成25)年3月21日に生まれ変わった「KITTE」です。1931(昭和6)年に開局し、近代建築の先駆けともいわれた東京中央郵便局。2008年に再開発計画が発表され、82年のときを経て昨年、地上38階建てのオフィスと、局舎を一部保存した低層棟の商業施設「KITTE」から成る「JPタワー」として再オープンしました。日本を代表する建築家、隈研吾氏が内装を手掛けた地下1階、地上6階の「KITTE」は、旧郵便局舎を一部保存・再生しているため、当時のレトロな雰囲気を残しつつ、現代的なデザインを取り入れた建物。館内には、全国各地の銘品や物販店舗、飲食店など、約100店舗が出店しています。

 その2・3階に総合研究博物館の展示デザインで誕生したミュージアム・スペースが、「インターメディアテク」です。東京大学が1877(明治10)年の開学以来蓄積してきた学術標本や研究資料など、「学術文化財」を常設展示しています。

▲「KITTE」入り口すぐのアトリウムは1〜5階の吹き抜けになっており、太陽の光が入る開放的な空間

▲4階には、旧東京中央郵便局長室が当時のままに残されている。濃い茶色の重厚感ある局長室からは、東京駅丸の内駅舎のドームが目の前に見える

小型の鉱物から大型骨格標本まで都会の喧騒から離れた静謐な空間

▲エスカレーターを上り、2階の入り口へ。左手には白を基調とした3階へつながる大階段があり、その横には、世界最大級のワニ、マチカネワニの骨格標本が展示されている

 「KITTE」のエントランスを入ると、1〜5階までの吹き抜けのアトリウムがあり、高いガラス天井からは太陽光が降り注いでいます。その横にあるエスカレーターで2階フロアへ上ると、ミュージアムの入り口があります。展示室に一歩入れば、それまでの喧騒から切り離されたような静謐な空間が広がります。「都心の真ん中に、フリースペースの憩いの場を作りたかったというのが一番のメッセージです」と語るのは、館長の西野嘉章(にしのよしあき)さん。もともとは、中央郵便局の集配所として使用されていたというだけに、仕切りのない全長70mにおよぶ大きな展示室には、自然史、文化史の学術標本群が陳列されており、中でもキリンやミンククジラなどの大型骨格標本に圧倒されます。


▲体長5mにもおよぶマサイキリンなども展示されており、大型の骨格標本に目を奪われる


▲生薬標本および鳥類図譜。展示に用いられているケースやキャビネットは、東京大学で使用されていたものを再利用している

「日本郵便株式会社と東京大学という組み合わせ自体がユニークですし、ひとつの文化事業を起こすということは、今までになかったことです。大学博物館ができて20年経ちますが、近代日本の学術の中心だった東京大学の遺産は、これまで見る機会がありませんでした。130年をゆうに超える東京大学の歴史遺産を一般の方々に無料で公開できるということはすごく意味のあることです」と、西野館長はミュージアムのコンセプトを語ってくださいました。

 集配所で使われていたままの木の床を使用したり、鋼鉄製窓枠の一部を展示フレームとしたりするなど、過去へタイムスリップしたかのような展示スペース。小さな鉱物から大型標本までさまざまな展示物が所狭しと並んでいます。

▲2階展示室の一角には、かつての東京中央郵便局や、改修工事の様子などの写真も展示されている

▲3階の展示室には、鳥類の貴重な剥製が飾られている

 とくに、この博物館の特徴は、鑑賞順路が設けられていないことや、あえて展示物の説明を最小限にとどめていることです。一般的な博物館の展示方法を採用しなかった理由について西野館長は、「価値は与えられるものではなく、自ら発見するものだと思います。人間はそもそも、自分の目で手で、体で発見することを喜ぶ生き物。ですから、来館者それぞれの本能的な部分に刺激を与えられるような文化施設を作りたかったんです」と明かしてくださいました。

▲パリのケ・ブランリ美術館の収蔵品の一部を陳列する展示室。年に1回、展示替えが行われる

 といっても、単なる歴史的な遺産を公開するだけではなく、展示に用いられているケースやキャビネットなどを現代の都市空間にあった最先端のものに“再生”し直すなど、再構築した展示を行っているのもミュージアムの魅力のひとつです。「古いものを見ていただくだけでなく、そこに現代のデザインを加えることで、現代の人たちに、未来を語る道具として伝えていきたいんです」(西野館長)

 「ここをアトリエとして、色々なアートが孵化していくクリエイションの場にしたいと考えています。たとえば、展示室で生演奏をしたり、演劇を行ったりするなど、ここから世界に向けて新しいメッセージや作品を発表できたらと思っています」と、今後の展開についても熱く語ってくださった西野館長。従来のミュージアムの概念を覆した「インターメディアテク」。昭和のモダニズム建築に、現代的なエッセンスが加えられた異空間を体験しに、ぜひ足をお運びください。

ギャラリーからのメッセージ - Message de Galerie

東京大学の歴史的遺産は、これまで見る機会がありませんでした。そうした歴史的遺産を現代の都市空間のなかで再生させて、若い世代の人たちにも見ていただく場を提供したかった。ここに並ぶのはすべてが第一級品。都心の真ん中にある静かな空間で、ゆったりとした時間をお楽しみいただければと思います。 JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」西野嘉章館長

空間・展示デザイン©UMUT works 2013

Update : 2014.3.1ページトップへ

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