「ナポレオンとヴェルサイユ展」 「パリの美術館・博物館〜その歴史と建築、装飾〜」
 
1804年12月2日、パリのノートルダム大聖堂で戴冠式を行なったナポレオン。皇帝戴冠200年を記念して、昨年12月から今年の3月までは神戸で、そしてこの4月からは江戸東京博物館でヴェルサイユ宮殿美術館所蔵の絵画、彫刻、家具、工芸品を中心に「ナポレオンとヴェルサイユ」展が開催されます。今月ご紹介する一冊は、この日本での展覧会用に準備された公式カタログです。
2002年から2003年にかけて、フランスの“王たちの時代”を紹介する「華麗なる宮廷―ヴェルサイユ」展が同じく神戸と東京で開催され、好評を博しました。今回はその後の時代にスポットが当てられています。フランス革命やマリー=アントワネットの死を経て、歴史の表舞台に登場したナポレオンの波乱の生涯を縦軸に、新たに花開いた美術様式や文化、さらには第二帝政時代の社会の様子を、絵画、彫刻をはじめ、家具や工芸品を通して浮き彫りにする興味深い展覧会です。
本書では、今回出品される日本初公開作品を含む全152点を、美しい写真を添えて紹介しています。ナポレオンのお抱え画家であったダヴィットやジェラール、グロが描いたお馴染みの肖像画はもちろん、皇帝が愛用した家具やセーヴル焼きの壷、皇妃ジョゼフィーヌゆかりの宝飾品、さらにはその後の皇妃マリー=ルイーズが使用した食器などが、その美術的価値にとどまらず当時のエピソードを交えて分かりやすく説明されています。
 
NAPOLÉON ET VERSAILLES
22×30cm/334ページ
日本語/刊行:2005年
序文:ピエール・アリゾリ=クレマンテル
(ヴェルサイユ宮殿美術館・国有地公団館長)
先着10セット限定で、前売り入場引換券2枚と展覧会カタログ1冊を特別価格4,000円(税込)にてお求めいただけます。
TEL:03-3574-2380
  また、前半部分には、ヴェルサイユ宮殿美術館学芸員らによる、ヴェルサイユの歴史やナポレオンの解説に加え、日本人研究者の「ナポレオンと江戸」「江戸のナポレオン図像」と題されたテキストなども、日本語とフランス語で同時収録。ヴェルサイユ宮殿美術館が企画し、その全面協力を得て実現した日本開催の展覧会ならではの、充実した内容です。
 
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