「マリー=アントワネット   その数奇な運命」
 
女性の視点から描かれた 王妃マリー=アントワネットの生涯
 5月1日からMMF3階のギャラリーでは、フランスの香りをテーマにした展示「マリー=アントワネットで楽しむフランスの香り」が始まりました。ギャラリーでは、王妃マリー=アントワネットのカルコグラフィー(銅版画)もご覧いただいています。今月はライブラリーからも、アントワネットにちなんだ一冊をご紹介しましょう。
 オーストリアの宮殿で自由奔放な少女時代を過ごすアントワネットの肖像から始まる本書は、王妃の38年という短くもドラマティックな生涯を余すことなく伝えてくれます。わずか14歳の若さで、のちのフランス王ルイ16世のもとへ嫁ぎ、宮廷という“鳥かご”に捕らわれた美しき王妃。やがて母となったアントワネットは、退屈な宮廷から逃れるかのように、ヴェルサイユのプティ・トリアノンで親しい者たちだけに囲まれた生活を始めます。本書では肖像画はもちろん、プティ・トリアノンの調度品の写真やアントワネットが身に着けたドレスや帽子のデザイン画、さらには風刺画や史料などで、その誕生から断頭台の露と消えるまでの日々をたどります。
本書の執筆は、アントワネットの伝記作者として知られる女性研究者エヴリーヌ・ルヴェが担当。
 
「マリー=アントワネット その数奇な運命」
Marie-Antoinette 〜Un destin brisé〜
28×22.2cm/144ページ
フランス語/刊行2006年
著者/エヴリーヌ・ルヴェ
本体記載価格/25ユーロ
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映画『マリー・アントワネット』の監督であるソフィア・コッポラは、彼女が書いた伝記を読んでインスピレーションを受けたとか。王妃の数奇な運命が多くの美しい図版や写真、貴重な史料で綴られた本書のページを繰るたびに、新しいアントワネットの姿が鮮やかに蘇ることでしょう。