そして今回、美術館の“こけら落とし”に選ばれた展覧会テーマは「舞台の上の獣たち」。ロバート・ウィルソンの演出によって2005年にコメディ・フランセーズで初演され、たちまちフランス中の話題と人気をさらったばかりの宮廷バレエ、ラ・フォンテーヌ(Jean
de La Fontaine)『寓話』、あるいは、ラヴェル(Maurice Ravel)作曲『子供と魔法』、また、『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』、『長靴をはいた猫』といった20世紀のバレエ舞台に登場した数々の動物たちが時間を越えて再び集合し、舞台専門の展示デザイナーの演出によって息を吹き返し、長い眠りから目覚めました。
これまでは隠れ家しか与えられていなかった舞台衣装に堂々たる新居が完成した日、ドヌデュー・ド・ヴァーブル(Renaud
Donnedieu de Vabres)文化大臣は、落成式に集まった人々に次なる目標を提唱しました。「そして今度は、魅力的な本物の舞台公演がこのムーランの国立舞台衣装装置センターで実現するかもしれない、いや、僕はそうするべきだと思う!」。7対3の割合で国が大半の資金負担をしている同センター建設と今後の運営体制は、国の文化機能地方分散化のモデルとなっており、オーベルニュ地方の各都市(ムーラン、クレモン=フェラン、モンリュソン、リオム、ヴィシー)と、パリ・オペラ座やコメディ・フランセーズとの連携を生み出し、文化相の言葉を実現する可能性を十分に秘めているのです。