クールエは、イタリアからアンリ2世(Henri II)に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシス(Catherine de Médicis)のお気に入りの画家でした。ここに登場するディアナはアンリ2世の愛妾で、絶世の美女と言われたディアナ・ド・ポワティエ(Diane de Poitiers)だとされています。アンリ2世は絵の左上に騎乗姿で描かれています。この王はノストラダムスの予言通り、騎馬戦で目を槍でつかれて死んでいます。
この3つの部屋の脇にもプッサンの作品やオリジナルが失われたラ・トゥール(Georges de la Tour)の《イレーヌに手当を受けるサン・セバスチャン》の、8枚存在する当時のコピー作品でいちばん優れていると言われる作品があります。
18世紀の部屋は当時の家具を置いてサロンの雰囲気を演出しています。この時代、人々の肖像画が多く描かれるようになり、それらはこのように居間に飾られていたに違いありません。ここにはフラゴナール(Jean Honoré Fragonard)の《洗濯女たち》やユベール・ロベール(Hubert Robert)の《ロッシューギヨン城の眺め》があります。