モーリス・ラヴェル博物館
ラヴェルの暮らした街 モンフォール・ラモリー ベルヴェデール 展望台と言う名の家 ユニヴェール・ラヴェリアン ラヴェルの世界
モーリス・ラヴェル博物館
こだわりのインテリアとコレクションの数々
▲寝室の壁に描かれた円柱の装飾。
© Guy Vivien
 この邸宅はラヴェルの死後、彼の兄弟が1960年に亡くなった際、フランス国立美術館連合に遺贈されます。1971年よりラヴェルの家は彼のコレクションと共にモンフォール・ラモリー市が管理することとなりました。そして1997年の4月には国立博物館となります。現在、室内の装飾や調度品と共にラヴェルが暮らしていた当時のままの様子を見学することができます。
 家具の収集家であったラヴェルは、以前から所有していた家具を新しい邸宅に持ち込み、またそれら以外にも新たに買い足すなどしながら、自宅内の装飾を行いました。
 絨毯や壁紙、部屋を飾る複数の絵画や調度品、異なる模様や装飾が一体となってラヴェルの家独特の調和を生み出しています。またラヴェルは購入したものを部屋に配置するだけでは飽き足らず、室内の装飾を自身で描くこともしました。寝室の淡い黄色の壁に描かれた円柱の模様、食堂の白と黒の帯状装飾、さらに椅子の背もたれに描かれた古代風のモチーフなどがその例で、ラヴェルのインテリアへの強い興味とこだわりが伝わってきます。
▲独特な雰囲気のサロン。
© Guy Vivien
   
▲ナイチンゲールの仕掛け人形。
© Guy Vivien
 邸宅内の棚やテーブルを飾る食器や小物類も、友人から貰い受けたものも含め、ラヴェルが当時収集したものです。なかには中国や日本からの置物や人形、おもちゃなども多く含まれています。ラヴェルは自宅のサロンのひとつをそれらで飾って東洋風にまとめるほど、アジアの美術の愛好家でした。また書斎に飾られている数枚の日本の浮世絵も、彼のアジアへの関心が窺えるコレクションの一部です。
 ラヴェルのコレクションには子供心をくすぐるような個性的なおもちゃが含まれているのも特徴的です。中でもとくに興味を引くのは、手の平サイズの鳥かごに入った小さなナイチンゲールの仕掛け人形です。本物のように羽やくちばしを動かしながらさえずる姿はなんとも愛らしく、またその精巧な仕掛けには驚かされます。偉大な作曲家のこうした小さなコレクションが発見できるのも、このラヴェル博物館の魅力です。
 モンフォール・ラモリーでは毎年10月上旬に、数日間にわたって「ラヴェルの日」と名付けられたイベントを行っています。モーリス・ラヴェルに関わる文化活動の展開を目的としているこのイベントは毎回異なるテーマで開催され、講演や展覧会、コンサートなど、毎年多くの音楽ファンを集めています。
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文・写真:
増田葉子(Yoko Masuda)
著者プロフィール:
明治大学史学地理学科卒業後、パリ第4大学(ソルボンヌ大学)で美術史学を専攻し、修士課程修了。現在同大学美術史学博士課程。専門は19世紀後半の装飾美術、主にジャポニスム。


URL
http://www.ville-montfort-l-amaury.fr
所在地
5, rue Maurice Ravel, 78490 Montfort l'Amaury
Tel
33(0)1 34 86 00 89
(ラヴェル博物館・開館日のみ)
33(0)1 34 86 87 96
(モンフォール・ラモリー観光案内所・毎日)
Fax
33(0)1 34 86 87 96
開館時間
水曜、木曜、金曜/14 :30、15 :30、 16 :30
土曜、日曜/10 :00、11 :00、
14 :30、 15 :30、 16 :30
*ガイド付見学のみ、最大7名まで(要予約)
休館日
月曜、火曜
入館料
一般:7ユーロ
18歳以下:3.7ユーロ
アクセス
パリ、モンパルナス(Montparnasse)駅より電車で約40分、モンフォール・ラモリー・メレ(Montfort l'Amaury-Méré)駅下車。駅より徒歩45分、平日は駅よりバス有り。
ラヴェルの暮らした街 モンフォール・ラモリー ベルヴェデール 展望台と言う名の家 ユニヴェール・ラヴェリアン ラヴェルの世界

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