
ポー城の見学は1階からスタートします。16世紀、台所だった部分には現在大きな城の模型が展示されています。すべての部屋の主な家具や装飾は19世紀のもので、アンリ4世(Henri IV)とその時代をテーマにしています。ルネサンス時代のものと、19世紀に修復されたり復元されたりしたものとを区別するのは、非常に難しく、19世紀の修復技術の高さを物語っています。
城の中で最も広い部屋は「100席のテーブルの間」で、100人ほどの招待客が座れるカシとモミでできた長さ18mのテーブルがあります。このテーブルは、現在も美術館で催しが行われる際に使われています。部屋の奥には、アンリ4世存命中に制作された等身大の彫像が、まるで招待客を迎えるかのように、佇みます。壁を飾るのは17世紀から18世紀に作られたゴブラン織りのタピスリーですが、当時からあったのではなく、19世紀に王の家具預かり所(現在の国有調度品管理局)から選ばれたものです。

タピスリーの緑の色合いが、広い窓から見えるなだらかな丘へと繋がっています。

さらに2階へ上がると、待合室を抜け、広いレセプション・ルームへと進みます。家具の配置は、19世紀前半、王の住居の式典の際の様子を再現しています。狩猟を表したタピスリーや、もともとヴェルサイユ宮殿の「十字軍の間」のために制作された重いブロンズのシャンデリア……。エトルリア調の2点のセーヴル陶器の花瓶など、変化に富んだ室内装飾を鑑賞することができるでしょう。セーヴルの花瓶は、1818年にアンリ4世像がパリのポン=ヌフ橋に建立されたのを記念してつくられたものです。また、彫刻家フランソワ・ジョゼフ・ボジオ(François Joseph Bosio /1768-1845)の手による、有名な子ども時代のアンリ4世彫像もあります。この作品はブロンズですが、同じ作品の銀製のバージョンがルーヴル美術館に保管されています。
暖炉の上の17世紀の振り子時計は、現在も当時のメカニズムのまま時を刻んでいます。両側にある、鳥かごの装飾のついた陶器の花瓶は、江戸時代に日本でつくられたもので、1740年にフランスのコレクションとなりました。
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次の部屋は「家族の間」と呼ばれています。壁は深紅の絹ビロードで覆われ、ナポレオン3世の胸像が置いてあります。また18世紀に流行した「中国風」の美しい箱を見ることができます。そして、次の部屋は、大きなベッドのあるルイ=フィリップの寝室です(ただし、ルイ=フィリップは実際ここに泊まったことはありませんでした)。ここには17世紀にスペインでつくられた非常に美しい旅行用のキャビネットがあります。さらに進むと、ルイ=フィリップが妻のためにしつらえた「皇后の間」に出ます。

しかし、この部屋もルイ=フィリップの妻に使われることはなく、ナポレオン3世の妻で、スペイン出身のウージェニー・ド・モンティージョ(Eugénie de Montijo)によって使用されました。展示棚には化粧道具や、豪華なセーヴル陶器、またシンプルな白い陶器が飾られています。なかには「ブールダルー(Bourdaloue)」と呼ばれる婦人用の持ち運びトイレもあります。
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- 所在地
2, rue du château - 64000 Pau - France - Tel
+33(0)5 59 82 38 02
33(0)5 59 82 38 22 - URL
http://www.musee-chateau-pau.fr/ - 開館時間
<9月16日~6月14日>
9 :30-11 :45、14 :00-17 :00
<6月15日~9月15日>
9 :30-12 :30、13 :30-18 :45 - 休館日
1月1日、5月1日、12月25日 - 入館料
<常設展示>一般:5ユーロ
割引:4ユーロ
毎月第一日曜日は無料
- MMFインフォメーション・センターでは、ポー城国立美術館のカタログやパンフレットなどを閲覧いただけますす。

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