ポール・セザンヌが故郷、エックス・アン・プロヴァンスで没してから
100年の節目の年にあたる2006年。
画家に霊感を与え続けた南仏プロヴァンスだからこそ実現しえる、
大規模な展覧会や多彩なイベントが始まります。
“近代絵画の父”として美術史にその名を刻むポール・セザンヌ。キュビスムやフォーヴィスムの誕生をうながしたといわれるこの画家は、1906年、愛する故郷エックス・アン・プロヴァンスで67年の生涯を閉じました。それから1世紀を経た2006年、先駆者セザンヌの偉大な功績をしのび、プロヴァンスでは画家に関する数々のイベントが開催されます。
とくにこの記念事業の中心イベントは、グラネ美術館(エックス・アン・プロヴァンス)で6月7日から開催される展覧会「プロヴァンスのセザンヌ」です。
今回、開催場所となったエックス市立のグラネ美術館は、芸術学校も兼ねており、青年時代のセザンヌもここでデッサンを学びました。今回の展覧会は、画家が絵画修行のスタートを切ったともいえる場所に、世界中の美術館やプライベート・コレクションから計110点もの作品が集結するという、これまでにない試みも大きな魅力のひとつです。セザンヌは、プロヴァンスの大地に強烈なインスピレーション受け、独自の画風を確立しました。多くの傑作が生み出されたまさにその土地で開催されるこの展覧会は、プロヴァンスでしか味わうことのできない贅沢な魅力にあふれています。
『トロネ街道から見たサント・ヴィクトワール山』(1896〜1898)
油彩 78x99cm
Le Mont Sainte-Victoire au-dessus de la route du Tholonet
Musée national de l'Ermitage, Saint-Pétersbourg
© Musée national de l'Ermitage
エックスを見下ろすようにそびえるサント・ヴィクトワール山
© Photo Jean-Claude Carbone
「CÉZANNE 2006」期間中は、「プロヴァンスのセザンヌ」展のほかにもさまざまなイベントやアクティビティを楽しむことができます。セザンヌ家の別荘やアトリエなど、画家ゆかりの地の公開はもちろん、アトリエで開催される絵画入門教室やセザンヌゆかりの地をめぐるツアーなど、魅力的なプログラムが次々と始まる予定です。また、「プロヴァンスのセザンヌ」展の開催に先駆けて、グラネ美術館で始まるマルチ・メディアを駆使したセザンヌ入門プログラムや、壮大なサント・ヴィクトワール山を背景に繰り広げられるプレルジョカージョ・バレエ団による公演など、美術ファンならずとも楽しめる企画にも注目が集まっています。
2006年のプロヴァンスへの旅は、100年のときを経て甦るセザンヌとプロヴァンスの確かな絆を発見できる、またとない機会になるでしょう。
セ
ザンヌ
63歳のときに完成したローヴのアトリエ
© Photo Jean-Claude Carbone
いまもアトリエに残る画材
© Photo Jean-Claude Carbone
「CÉZANNE 2006」に関する詳細や、プロヴァンスで開催される展覧会・イベント情報が満載の日本語版ホームページが、メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスによって日本語版にローカライズされました。ぜひご覧ください。
4月から始まるイベントの一部をご紹介します
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2006年4月
ジャ・ド・ブッファン
と
ビベミュの石切場
の公開
ローヴのアトリエに加え、セザンヌが40年近く暮らした「ジャ・ド・ブッファン」と壮大な景観の「ビベミュの石切場」が新たに一般公開されます。
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2006年6月
「マルチ・メディアで楽しむセザンヌ」
(グラネ美術館)
「プロヴァンスのセザンヌ」展に先駆けて行なわれるセザンヌ入門イベント。マルチ・メディアを駆使した斬新な企画です。
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2006年7月3日
プレルジョカージョ・バレエ団による「結婚」(ストラヴィンスキー作詞・作曲)の上演
前衛的な振り付けで人気の、プレルジョカージョによるセザンヌへのオマージュです。サント・ヴィクトワール山を背景に上演されます。
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2006年7月5日
ベルリン・フィル管弦楽団野外コンサート
質の高さで定評のあるエックス・アン・プロヴァンス音楽祭のイベント。セザンヌ没後100年を記念し、サント・ヴィクトワール山のふもとでベルリン・フィル管弦楽団による野外コンサートが行なわれます。
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2006年6月9日〜9月17日
「プロヴァンスのセザンヌ」展
開催(グラネ美術館)
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また、グラネ美術館に先駆けてアメリカの
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
では1月29日から3月7日まで「プロヴァンスのセザンヌ」展が開催されます。
主催者の都合により、イベントの内容・日程等は変更になることがあります。
フランス南東部,ブーシュ・デュ・ローヌ県の古都。ローマ時代から温泉地として栄え、多くの泉が湧くことから「泉の都」とも呼ばれます。
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交通
空路
パリのシャルル・ド・ゴール空港からマルセイユ・プロヴァンス空港まで約1時間。市街までバスで約30分。
鉄道
パリ・リヨン駅からTGV南東線でエックス・アン・プロヴァンスTGV駅まで約4時間。さらに市内まではシャトルバスで約20分。
マルセイユのサン・シャルル駅から在来線でエックス・アン・プロヴァンス・ヴィル 駅まで約40分。
詳しくは
フランス政府開発機構
まで
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MMF主催サロン講座
サロン・デ・ミュゼ・ド・フランス
第4回「セザンヌ―生動する画面」
2月16日(木)申し込み受付中
本江邦夫先生(府中市美術館館長 多摩美術大学教授)による興味深いお話が好評のシリーズ講座。第4回は待望のセザンヌです。
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セザンヌ「リンゴとオレンジ」のカップ
セザンヌの傑作「リンゴとオレンジ」をモチーフにした、独特なフォルムのカップを
ブティックにて
ご紹介しています。
*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。