“クチュール界のグラン・マダム”初の回顧展カタログ
『マダム・グレ
- 創り上げるクチュール -』
Madame Grès, la couture à l'œuvre

「布の彫刻家」の魅力が詰まった一冊
ここ数年、日本でもモードをテーマにした展覧会が数多く開催され、これまでの美術愛好家だけでなく、幅広いファン層が展覧会場に足を運ぶきっかけとなっています。今回、ご紹介する一冊も、モードを扱った展覧会カタログです。2011年、パリのブールデル美術館で開催された「マダム・グレ―創り上げるクチュール―」展は、会期を1ヵ月延長するほどの好評を博しました。
「クチュール界のグラン・マダム」、「モード界の守護神」と称されるマダム・グレは、1930年代に活躍した伝説のクチュリエール。1920~30年代のパリでは、シャネルやランバン、スキャパレリなど、多くの才能ある女性クチュリエールが登場しました。そのなかにあって、もともと彫刻家志望だったグレは、それまでの服飾の常識にとらわれない豊かな芸術性を武器に、モード界の階段を駆け上っていきました。
その端緒となったのが1935年に発表したジャージードレスです。当時、先進的な素材だったシルクジャージーに着目したグレは、モデルの身体に布地をまとわせて裁断する、まったく新しい手法を使って、繊細かつ美しいドレープのジャージードレスを生み出しました。本書にはグレの代名詞となったこのジャージードレスをはじめ、その後次々と発表した革新的なドレスの写真はもちろん、グレ自身が描いたデザイン画も収載しています。とくにモデルの動きに合わせて繊細なプリーツが揺れるドレスの数々を収めた写真には、うっとりするばかり。今なお古びることのないマダム・グレの世界を存分に味わうことのできる一冊です。
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Update : 2020.9.4

Madame Grès, la couture à l'œuvre
25.3×21cm/205ページ
フランス語/2011年
著者:SAILLARD, Olivier
出版社:Paris Musées
本体価格:37ユーロ ※この情報は2020年9月更新時のものです。
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