![GINZA-ART LINK [ 銀座界隈で出会えるアート ]](image/ginza03/ginza_hd.gif)

メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MMF)のある銀座界隈には 企業が運営する美術館やギャラリーなどが、数多く点在しています。銀座のMMFにお越しの際、併せて訪問いただきたい、こうしたアートスポットをご紹介してまいります。
今回訪れたのは、株式会社リクルートが運営する銀座のふたつのギャラリー、「クリエイションギャラリーG8(ジーエイト)」と「ガーディアン・ガーデン」です。日本を代表する作家はもちろん、これからのデザイン・アート界を切り開いていく若きクリエイターの活動を支え続けるギャラリーです。銀座にG8がオープンしてから27年。斬新な企画内容で時代のアートを発信し続ける、その姿勢は変わりません。

リクルートGINZA8ビル
- 開設企業
株式会社リクルート
- 所在地
〈クリエイションギャラリーG8〉
東京都中央区銀座8-4-17リクルート
GINZA8ビル1F
〈ガーディアン・ガーデン〉
東京都中央区銀座7-3-5リクルート
GINZA7ビルB1F
- Tel
〈クリエイションギャラリーG8〉
03-6835-2260
〈ガーディアン・ガーデン〉
03-5568-8818
- 開設年
1985年にクリエイションギャラリーG8が、1990年にガーディアン・ガーデンがオープン。
- 運営コンセプト
G8は、広告、デザイン、そしてアートを通じて「コミュニケーション」の原点を追究。またガーディアン・ガーデンでは若き才能の発掘を目指している。
- URL
〈クリエイションギャラリーG8〉http://rcc.recruit.co.jp/g8/
〈ガーディアン・ガーデン〉http://rcc.recruit.co.jp/gg/
- 開催中の展覧会
〈クリエイションギャラリーG8〉
第14回亀倉雄策賞受賞「澁谷克彦グラフィックデザイン展」/2012年3月27日(火)〜 4月27日(金)
〈ガーディアン・ガーデン〉
第6回写真「1_WALL」展/
2012年3月26日(月)〜4月19日(木)

- 観覧料
無料
- アクセス
〈クリエイションギャラリーG8〉JR新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩3分。リクルートGINZA8ビル内1階。
〈ガーディアン・ガーデン〉JR新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩5分。リクルートGINZA7ビル内地下1階。
- 休館日
日曜日、祝日
- 開館時間
11:00-19:00
※展覧会によって開館時間や休館日が変更になる場合があります。
クリエイションギャラリーG8の誕生は1985年、リクルートが銀座にふたつのビルを持った頃にさかのぼります。当時は「G7ギャラリー」として、銀座7丁目のビルからスタートしました。グラフィックデザインやイラストレーション、写真などは、自社の事業を支えるとても大切なもの。だからこそ、こうしたビジュアル表現で活躍しているクリエイターたちが活躍する舞台をつくりたい――。ギャラリー誕生の裏には、さまざまなメディアを通して情報を発信するリクルートならでは思いがありました。1989年には現在の銀座8丁目ビルに移転し、亀倉雄策氏が責任編集を務めたリクルート発行のデザイン誌『クリエイション』の名を冠した現在の名称に変更。グラフィックデザインを中心に多彩な企画展が開催されています。
最近では日本に限らずアジアで活躍するクリエイターなど、さらに広い視点で斬新な企画展を開催しているG8ですが、多くのファンから支持を集めているシリーズ企画もあります。なかでも「タイムトンネルシリーズ」は、今年で30回目を迎える人気シリーズ。イラストレーターの和田誠氏、グラフィックデザイナーの仲條正義氏をはじめ、第一線で活躍するクリエイターの若き日にスポットを当てた展覧会で、学生時代の習作やデビュー当時の作品など、これまでほとんど日の目を見なかった作品が展示されます。それはいま活躍しているクリエイターが、若い頃にどんなことを考え、どんな作品を作っていたかを知ることで、見る人にとって何かのヒントやメッセージになればという思いから。今年は5月7日からフォトグラファーの広川泰士氏の展覧会が企画されています。
もうひとつのギャラリー「ガーディアン・ガーデン」は「守護神のいる庭」という意味です。1990年のオープン当初は渋谷にありましたが、1993年、銀座に場所を移して再スタートを切りました。創設当初からの変わらぬコンセプトは、コンペティション・ギャラリーであること。つまり公募展を中心に、若者たちに表現の「機会」と「場所」を提供し続けています。
ガーディアン・ガーデンで開催される「ひとつぼ展」と題した公募展では、一次審査を通過した10名が、文字通り3.3u(1坪)のスペースで作品を展示し、競い合いました。この公募展の最大の特徴が、公開審査であるという点です。第一線で活躍するクリエイターがグランプリを決定する審査の様子までも、一般に公開されます。目の前で行われる審査では、ときには厳しい言葉が飛び出すこともありますが、それらひと言ひと言が、若いクリエイターにとっては貴重なアドバイスであり、エールでもあります。この「ひとつぼ展」を巣立ったクリエイターの中には、写真家の蜷川美花氏や川口倫子氏など、いまや大活躍中のクリエイターの姿もありました。
2009年、「ひとつぼ展」は、「1_wall(ワンウォール)」と名称を変えてリニューアルしましたが、コンセプトは変わらず、個展開催の権利をかけて若き才能が火花を散らします。ひとつひとつ壁を乗り越えていってほしい、1坪の枠を飛び出して、壁一面を使って作品を表現してほしい――。新しい才能の芽が、今年もまた「ガーディアン・ガーデン」ですくすくと成長しています。
わたしたちのふたつのギャラリーでは、企画立案から展示まで、われわれスタッフの手づくり感を大切にしています。自分たちでできることは何でもやってみる。展示模型をつくって、クリエイターの方と打ち合わせをすることもあります。だからこそ、ひとつひとつの企画には気持ちも入ります。難しく考えないで、まずは気軽にいらしていただきたいと思います。「デザインって、アートって、楽しいものなんだな」と色々な世代の方に感じていただきたいですね。
菅沼比呂志(すがぬま ひろし)さん、小真紀子(おだか まきこ)さん