![GINZA-ART LINK [ 銀座界隈で出会えるアート ]](image/ginza03/ginza_hd.gif)

メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス(MMF)のある銀座界隈には 企業が運営する美術館やギャラリーなどが、数多く点在しています。銀座のMMFにお越しの際、併せて訪問いただきたい、こうしたアートスポットをご紹介してまいります。
今回訪れたのは、銀座3丁目にあるキヤノンギャラリー銀座。写真文化の向上に貢献することを目的に、ジャンルを問わず、すぐれた写真を発表する場所として、年に50回もの写真展を開催しているギャラリーです。

- 所在地
東京都中央区銀座3-9-7
- Tel
03-3542-1860
- 開設年
2005年
(1973年のキヤノンサロンが前身)
- 運営コンセプト
写真家たちの発表の場として、またプリントの楽しさを知ってもらいたいという理念のもと、あらゆるジャンルの写真展を開催している。
- 観覧料
無料
- 休館日
日曜日・祝日
- 開館時間
10:30-18:30(写真展最終日は15:00まで)

- アクセス
都営地下鉄浅草線「東銀座駅」A7、A8出口より徒歩2分。
東京メトロ日比谷線「東銀座駅」A2出口より徒歩3分。
東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A12出口より徒歩3分。
- 運営企業
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
「キヤノンギャラリー」の歴史は、世界的な名機の誉れ高い一眼レフカメラ「キヤノンF-1」の誕生とともに始まりました。1971年、キヤノンは膨大な投資と労力を投じて開発した最高級カメラ「F-1」を発売。それは、キヤノン初のプロ用一眼レフカメラでした。しかし、プロ市場のシェアの99%を他社製品が占めていた当時、「F-1」を浸透させることは、容易なことではありませんでした。そこで、「F-1」販促の最前線基地として、1973年、銀座5丁目に設立されたのが「キヤノンサロン」でした。現在のキヤノンギャラリーの前身です。
サロンを立ち上げたキヤノンは、『F-1による作家20人展』、『F-1による自写像29人展』などの写真展を開催。ギャラリーは、第一線で活躍する写真家たちに「F-1」の性能を知ってもらい、また「F-1」で撮影された写真の美しさを多くの人々に見てもらう場となりました。
銀座3丁目の地に移転したのは、2005年のことです。現在は「キヤノンギャラリー」として、文化、芸能、スポーツ、風景など、多様なジャンルの写真展を開催していますが、設立当初からの伝統を受け継ぐ「キヤノンサロン」も今なお健在。情報交換と交流の場として、多くの写真家たちに愛され続けています。
ギャラリーを訪れた際には、2012年度新聞協会賞を受賞した写真記者・高橋洋史(たかはしひろし)氏の写真展『命のゆりかご~瀬戸内の多様な生態系』(2013年1月31日~2月6日)が開催されていました。瀬戸内の海に息づく生命の姿をとらえた約30点の作品が展示された空間は幻想的で、あたかも海中にいるかのような錯覚を抱かせるほどでした。
このギャラリーの最大の特徴は、毎週作品の入替えを行い、さまざまなジャンルの作品を展示するということ。「ひとりでも多くの人たちに写真の魅力を伝えたい」という精神のもと、年に約50回もの写真展を開催しているのです。キヤノンギャラリーは銀座のほか、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡の全国6ヵ所にあり、巡回展や地域に根ざした写真展を開催。毎年2月と8月には、ジャンル、プロアマを問わず出展者の公募の受付をしています。
もうひとつの特徴は、写真展の会場を訪れれば、出展している写真家と出会える場合が多いということ。「訪れた人たちとの交流の場を作りたい」という願いから、キヤノンギャラリーでは、写真家にはできるかぎり会場に常駐してもらうように努めているのです。
カメラ初心者からプロフェッショナルの写真家まで、写真を愛する幅広い人々が集うキヤノンギャラリー。隣接するショールーム、キヤノンデジタルハウスでは、カメラ講座をはじめとする写真を楽しむためのさまざまな企画が用意されているので、ぜひ一度、足を運んでみてください。今まで気付かなかった写真の魅力を発見し、写真との新しい関係を紡ぎ出す格好の機会です。
キヤノンギャラリーでは主に公募作品による写真展を開催しています。写真文化の発信基地として、また写真家、写真愛好家の方々とのコミュニケーションの場として有機的なスペースを創造していきたいと思います。
写真や映像の持つ感動をキヤノンギャラリーを通して皆様にお伝えできるようスタッフ一同頑張ります!
キヤノンギャラリー担当 林田優子(はやしだ ゆうこ)、西田 勇(にしだ いさむ)