Dossier special - 海外の特集

  • 1.MoMAってなあに?
  • 2.フロアプラン

ニューヨーク近代美術館 Museum of Modern Art

フロアプラン

1F:ロビー、ショップ、レストラン、アート・ラボ、彫刻庭園

フィリップ・ジョンソン設計の建築を生かしたアビー・アルドリッチ・ロックフェラー彫刻庭園にはアール・ヌーヴォー時代の地下鉄ゲートや、ロダン、ヘンリー・ムーアなどの古典的なブロンズ像が常設されるほか、現代美術作家の斬新な作品が展示されます。高層ビルの谷間にある静かなアート空間で、夏には野外コンサートも開催されます。

2F:コンテンポラリー・アート(1980年から現在)、版画・挿画本、メディア・アート、特別展、カフェ、ブック・ショップ

▲ブック・ショップ
Photo by Jacques DeMélo

カラ・ウォーカー、ジェフ・クーンズ、ヴィト・アコンチ、マイク・ケリーなど、1980年以降のあらゆる動向の現代美術作品を展示。なかでも記憶に新しいのはジャネット・カーディフの音のインスタレーションです。メディア・アート・ギャラリーと版画のコレクションも充実しています。同階のブック・ショップにはユニークなアートブックが揃っています。

3F:建築・デザイン、ドローイング、写真、特別展

▲建築・デザインの展示
Photo by Jacques DeMélo

MoMAのコレクションを最も特徴づけているのがこの階の展示作品群といえます。1920年代はデザインや建築、写真も芸術作品としてはまだ認識されていませんでした。しかし、創設時の館長アルフレッド・H・バーJr.はこれらを芸術ととらえました。椅子のデザインで知られるチャールズ&レイ・イームズや建築家フランク・ロイド・ライト、写真ではロバート・キャパ、ヘンリー・カルチエ・ブレッソンといった大御所から、フアッション写真分野をアートにしたリチャード・アヴェドンやアーヴィング・ペンなどの作品も常設されています。

4F:絵画・彫刻II(1940年代から80年代)

▲常設されている草間彌生とアンディー・ウォーホルの作品
Photo by Jacques DeMélo

ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リキテンスタイン、ジャクソン・ポロックのドリッピング絵画、ロバート・ラウシェンバーグ、マーク・ロスコ、アンディー・ウォーホルなど、アメリカ現代美術の巨匠たちの作品を堪能することができます。草間彌生の作品も常設されています。

5F:絵画・彫刻I(1880年代から1940年代)、カフェ

MoMAのコレクションでは最もポピュラーな時代の作品が並び、ピカソの数々の作品をはじめ、セザンヌ、フリーダ・カーロ、マチス、モンドリアン、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなどの名作の宝庫となっています。

▲イサ・ゲンツケン展
Photo by Jacques DeMélo

6F:特別展、ショップ

大規模な企画展のための空間。これまで「ゴーギャン展」とドイツの女性アーティスト「イサ・ゲンツケン展」といったような、ヨーロッパ近代絵画展と現代アート展を同時に開催しています。

T2(地階)、M(地階の中2階)、T1(地階):シアター、展示、クラス・ルーム

3つのシアターと展示会場、教育プログラムのクラス・ルームがあり、さまざまなフィルムが年間を通してつねに上映されています。ヨーロッパ・フィルム、フィルム・ノワール、黒沢明作品などのさまざまな映画と同時に、ティム・バートンやPixarの原画展なども開催されます。

ライブラリー

本、資料、アーティストブックなど30万冊以上の資料や7万人を超えるアーティストの情報が管理されている、世界有数の美術館ライブラリー。予約をすればいつでも閲覧とリサーチができ、教師や中・高生のグループでの利用も多く見受けられます。

MoMAデザインストア:ショップ

MoMAデザインストアは世界中から選りすぐったデザイン・アイテムを揃えているほか、ショップ・キュレーターに選定されたデザイナーや、アーティストによるMoMAのオリジナル商品が何といっても魅力です。またMoMA出版によるカタログや貴重なアートブックが充実しており、ソーホーにある店舗では家具も扱っています。無印良品のグッズも人気アイテムです。

▲MoMAデザインストア
Photo by Jacques DeMélo
▲MoMAデザインストア
Photo by Jacques DeMélo

食べる:The Modern(1階)

▲The Modern
Photo by Jacques DeMélo

1階には美術館のレストランという従来の常識を超えた、高級ダイニングがあります。美術館開館時間外もオープン。ニューヨークタイムズ紙で3つ星に評されているほどの味で、彫刻庭園を見渡す落ち着いた雰囲気のなかで、シェフがこだわる素材と洗練された料理は格別。豊富なカクテルと厳選されたワインが楽しめるバー・ルームはカジュアルな雰囲気です。ディナーは事前予約をおすすめします。

▲Cafe2
Photo by Jacques DeMélo

Cafe2(2階)

カジュアルな雰囲気のカフェテリア。新鮮な素材を使ったイタリアンで、種類の豊富なチーズやプロシュートのサンプルプレートがおすすめ。パニーニやパスタもハンド・メイドで隣接するエスプレッソ・バーは作品鑑賞でのコーヒー・ブレイクにもどうぞ。

Terrace 5(5階)

テラスから庭園が望める洗練された空間のカフェ。オランダのモダンな家具とテーブルウェアのセンスも抜群で、季節折々のデザートだけでなく、ワインやカクテルも充実しています。

分館:MoMA PS1コンテンポラリー・アート・センター

▲MoMA PS1コンテンポラリー・アート・センター
©The Museum of Modern Art

2000年に提携したPS1は現代美術のみを探求する米国初の美術館。PS1は1971年にアラナ・ヘイスにより設立され、クイーンズの市立校(パブリック・スクール1)をそのまま生かしたユニークな空間です。
地下の機械室やクラス・ルーム、階段、トイレにまでサイトスペシフィックな新進作家のインスタレーションなどが展示され、天候によって作品の見え方が変わる、ジェームス・タレルの日没時の作品《Outside In》(1991年)は必見。また若手建築家の発表の場としても活用されています。最先端のアートは難解であるといわれがちですが、音やインスタレーション、パフォーマンス、マルチメディアなど、多岐多様な方法による表現は複雑な現代社会における政治・社会、経済・歴史への問いかけであったり、日常における個人個人の声の反映であったり、普段見過ごしているような小さな事柄だったりと、さまざまな社会の問題に気付くきっかけともなるのが魅力のひとつといえます。

[FIN]

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Update : 2014.5.1
文 : 梁瀬薫(Kaoru Yanase)
ニューヨーク在住美術ジャーナリスト/評論家、国際美術評論家連盟評議員/
中村キース・ヘリング美術館顧問
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ニューヨーク近代美術館 Museum of Modern Art

所在地
11 West 53rd Street, New York, NY, USA
Tel
1-212-708-9400
URL
http://www.moma.org
開館時間
10:30〜17:30
金曜日10:30〜20:00
休館日
感謝祭(11月第4木曜日)、
クリスマス(12月25日)
入館料
大人 25ドル
65歳以上 18ドル
学生 14ドル
16歳以下 無料
そのほかは以下を参照
http://www.moma.org/visit/plan/index#hours
アクセス
地下鉄E、M線5 Ave-53rd Street駅下車すぐ。地下鉄B、D、F、M線45-50 Street駅下車徒歩約10分
※この情報は2014年5月更新時のものです。
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