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TOP ルモワンヌ館長 インタビュー オリジナル・ムービーで知る オルセーの世界 オルセー美術館展 「19世紀 芸術家たちの楽園」展
大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産 オルセー美術館・MMF共同企画 「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」
 
 
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新連載「オルセー美術館展:パリで出会うもう一枚の名作」第2回「選ばれた場所〜ミレー、モネの作品から」
MMFのwebサイトをご覧の皆さまのために、オルセー美術館が作品をセレクト、特別に鑑賞のポイントをまとめていただきました。
日本で開催される「オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園」に出品される作品と、オルセーからめったに貸し出されることのない作品とをひとつのテーマで結ぶ、興味深い解説が展開されます。
全6回の連載で紹介されるのは、オルセーが誇る12点の名作。ここでしか楽しめないオルセーの絵画鑑賞を存分にご堪能ください。
 
     
 
『オルセー美術館展』出品作から オルセー美術館の展示室から
 
ジャン=フランソワ・ミレー『グレヴィルの教会』 1871-1874年
油彩・カンヴァス 60×73.4cm
©Photo RMN - ©Hervé Lewandowski
 
クロード・モネ『昼食』 1873-1874年
油彩・カンヴァス 160×201cm
©Photo RMN - ©Hervé Lewandowski
 
     
  多くの芸術家たちは、注文とは別に、大切な思い出を具象化するため自らの生活の特別な瞬間を画布に定着させてきた。思い出を肖像画として残す場合もよくあるが、絵画の前景に近親者を描くこともあれば、風景の一部として人物にあまり重要でない役割を与えることもある。ジャン=フランソワ・ミレーは死の直前、子供の頃暮らした村の教会を描き、前景にノルマンディーの名もない農民のシルエットを配した。笑いと平穏に満ちあふれた遙か遠い時代を、ノルマンディーの空の下に(雲行きはあやしいが)取り戻そうとしたのだ。
それに対し、モネが1873年に『昼食』と題した装飾画を描いた際、太陽の光をふんだんに用いてとらえようとしたのは、彼のその時の人生だった。多くの苦労に見舞われた後、妻カミーユと息子のジャンと共にすごしたアルジャントゥイユの夏は平穏なひとときだった。その選ばれた特別な瞬間が作品一杯に描かれている。平明な構図が視線を家の入り口まで導き、前景の豊かな植物や静物、ふるえるタッチや明るい色彩が調和し、この午後の思い出がどれほどかけがいのないものであったかを表している。
 
     
 
     
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