マルモッタン美術館の展覧会カタログ 『印象派プライベートコレクション、100の名品』
Les Impressionnistes en privé. Cent chefs-d'œuvre de collections particulières
印象派プライベートコレクション、100の名品
『印象派プライベートコレクション、100の名品』
Les Impressionnistes en privé. Cent chefs-d'œuvre de collections particulières
著者/Marianne Mathieu, Claire Durand-Ruel Snollaerts, Richard R. Brettell
28.5×22cm/231ページ
フランス語、英語/2014年
発行元/HAZAN
本体記載価格/29ユーロ
※この情報は2014年6月更新時のものです。
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知られざる印象派の名画が楽しめる1冊

「痛みはいつか消えるが、美は永遠に残る」

これは印象派の巨匠ルノワールが、その晩年、関節炎の痛みに耐えながらも絵を描き続ける理由を語った言葉です。
このルノワールの言葉の意味を強く想起させられる展覧会が、2014年2月13日から7月6日までパリのマルモッタン美術館で開催されています。フランス、アメリカ、メキシコ、スイス、イギリス、イタリアをはじめとした世界各国の個人コレクターが所有する印象派の傑作約100点が集う「印象派プライベートコレクション展」です。

19世紀半ばにフランス画壇に登場した印象派の画家たちは、既存の美の伝統から解放され、新しい美を創造していきました。しかし当時、印象派の画家たちを取り巻く環境は決して恵まれたものではありませんでした。たとえば印象派の画家のひとりカイユボットは、自らが収集した仲間たちの作品を国家に寄贈すると遺言した折、「そんな不潔なものは拒否する」として、その半数近くが突き返されました。印象派の画家の擁護者であった画商デュラン=リュエルもまた、売れない印象派の作品を多く抱え、破産寸前の窮地に追い込まれました。しかしそうした行き場を失った名画たちを救ったのが、アメリカをはじめとした世界各国の個人コレクターでした。新しい審美眼を持った個人コレクターたちの手によって、“美は永遠に残された”のです。

本書では展覧会に出品されたコロー、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、ピサロ、シスレーら、錚々たる画家たちの秘蔵の傑作が美しい印刷によって再現されています。これらはすべて、個人コレクターによって長年愛されてきたものばかり。未発表の作品も含まれているため、印象派に詳しい美術ファンも初めて目にする作品も多く掲載されています。作品ひとつひとつに添えられた詳細な解説とともに、“よく知られた”印象派の“知られざる”魅力を発見できる1冊です。

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Update : 2014.6.1
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