「LOUVREルーヴル美術館展19世紀フランス絵画―新古典主義からロマン主義へ」
 
 現在、東京藝術大学大学美術館で「ルーヴル美術館展 古代ギリシア芸術・神々の遺産」展が開催され、大きな反響を呼んでいますが、昨年は、ルーヴル美術館所蔵の19世紀のフランス絵画の至宝が横浜・京都を巡回し、話題をさらいました。アングルの『トルコ風呂』が初めてフランス国外で出展されることでも注目を集めた「ルーヴル美術館展 19世紀フランス絵画―新古典主義からロマン主義」。改めてルーヴルの素晴らしさを認識された方も少なくなかったと思います。今回ご紹介するのは、この記念すべき展覧会の日仏完全対訳を収載した豪華公式カタログです。
 フランス革命を経て、ナポレオンの帝政時代から二月革命までにいたる18世紀末から19世紀前半の時代は、それまで社会の支配層であった王侯貴族にかわり、新たな市民階級が台頭していきました。こうした時代の変化とともに、芸術の世界でも新古典主義からロマン主義へ、さらに自然主義的な風景画の登場と、次々と新しい表現が生み出されていったのです。そしてルーヴル美術館のコレクションのなかから、このフランス絵画激動の時代に焦点を絞った傑作の数々が横浜・京都に集結したのが本展覧会でした。
 
LOUVRE ルーヴル美術館展 
19世紀フランス絵画―新古典主義からロマン主義へ
280×240mm/317ページ
2005年刊行/日仏完全対訳
執筆/ヴァンサン・ポマレッド(ルーヴル美術館絵画部部長)、セバスティアン・アラール(ルーヴル美術館絵画部学芸員)他
   本書は、展覧会に出展された日本初公開作品53点を含む全73点の作品解説に加え、アングルやジェリコー、ドラクロワなど、この時代を代表する出品画家42人の略歴までを日仏完全対訳で収録する充実の一冊。ルーヴル美術館と19世紀フランス絵画との関係性や、最近の研究に基づいた18世紀末から19世紀初頭のヨーロッパ美術にまつわるテキストなども同時に掲載されているので、出展作品のみならず当時の時代背景への深い理解が得られます。
 ルーヴルを彩る19世紀の名画と大きな時代のうねりを、美しい図版と詳細な日仏テキストでひも解いてみませんか。
 
こちらでご紹介する書籍をはじめ、MMFインフォメーション・センターでは、ルーヴル美術館に関する書籍を多数取り揃えております。
MMF教育プログラム サロン・デ・ミュゼ・ド・フランスでは「ルーヴル美術館の魅力 フランス絵画の黄金時代」と題した連続講座を開催中。次回7月22日は新古典主義を代表するアングルがテーマです。 詳しくはこちら>>