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人類博物館マダムの連載の一部(10館)が本になりました。 バックナンバーを読む
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4つ目の展示台には、ホモ・エレクトスからホモ・ネアンデルターレンシスまで同時期に存在したさまざまな種が展示されています。大きく上下につぶれた頭蓋骨を持つネアンデルタール人は次第に消え去り、最初の現代的な人間ホモ・サピエンスにその座を譲りました。ここにはもうひとつ面白い実験ができる装置があります。私たちの顔をネアンデルタール人のものに変えるのです。ぜひチャレンジなさってみてください!

旧石器時代のヨーロッパの人間をめぐる環境を再構成した大きな展示ケースがあります。そこには剥製の動物(バイソン、トナカイ、ウマ、オオカミ、犬、洞窟の中にクマの頭蓋骨)が置かれています。人間はまだ定住しておらず、狩猟に専心しており、新しい道具や銛(もり)のような武器を作っていました。少し離れたところに展示してある「祖先の隠れ家」もぜひご覧ください。瞑想的な雰囲気の中で、埋葬跡から見つかった品々を見ることができます。「老人」と呼ばれる有名なクロマニョン人の頭蓋骨は、2万8000年前のもので、1868年にドルドーニュ地方で発見されました。また、レッドオーカーで彩色され、貝で覆われた「カヴィヨンの夫人」の頭蓋骨は、3万年前のもので、イタリアで発見されました。彼女の骨格模型とともに展示されています。

続けて中2階へと参りましょう。ここには、このミュゼの目玉というべき、旧石器時代の品々が仄かな照明の中に展示されています。マンモスの牙でできたとても小さな彫刻「レスピューグのヴィーナス」は、2万3000年前のもので、多産を象徴しています。マドレーヌのプレートは、1万5000年前のもので、マンモスを表しています。モンゴディエの穴のあいた棒は、トナカイの角でできた道具で、1万5000年前のものです。

2階は新石器時代(1万年前)にあてられています。定住化が進み、その結果世界中で非常に多様な文化が生まれるという激変が起きる転換期です。切り抜いたフェルトに刺繍をしたユニークなパネルが、ヨーロッパ、中国、日本、近東、中央アジア、アフリカ、アメリカにおける、さまざまな新石器時代へのプロセスを示しています。少し奥まったところにある、サハラの洞窟壁画(5000年から4000年前)の復元もぜひご覧ください。日常生活の情景を表しています。

そして、ミュゼの3つ目のパートでは、明日への挑戦や私たち自身の未来に関する問いかけがなされています。マルチスクリーンの装置が、15世紀の大航海時代に遡るグローバリゼーションへのステップをたどっています。それぞれの民族が、テクノロジーの進化やアイデアをそれぞれの文化に適応させているのを目の当たりにすることは、大変興味深いです。セネガルのダカールで使われていたという、全体にデコレーションされたルノーの古いバスに乗ってみてください。近代的な建物の隣に小さな屋台が立ち並ぶ景色が次々に表れ、博物館に居ながらにして、旅気分を味わえます。電話線で作った( ! )サハラのかご製品も展示されています。アジアのいくつかの民族の伝統的な住まいユルトも、現代生活にみごとに適応しています。なんと、パソコンとテレビに電気を供給するソーラーパネルを備えているのですよ!

新たに生まれ変わった人類博物館は、その起源から今日までの人類の冒険を物語るだけでなく、来館者に、人間が地球に与える影響やその保護といった本質的な問題も問いかけています。「人類のギャラリー」に加えて、ミュゼは150人の研究者を擁しており、その研究成果が一般に公開されています。来館者は「科学のバルコニー」にあるマルチメディアを利用してこれらにアクセスできます。ミュゼは、科学の知識を一般に普及させるためにも重要な場所にもなっているのです。

友情を込めて。

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Update : 2016.4.1

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