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チュイルリー公園マダムの連載の一部(10館)は書籍でもお楽しみいただけます。バックナンバーを読む
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コンコルド広場の方へ歩を進める際には、ぜひ一度、後ろを振り返ることをお忘れにならないでください。カルーゼル広場と同一線上にルーヴルとそのピラミッドが見えます。それから、さらに歩を進めますと16のマロニエの木立が日陰をなす「グラン・クヴェール(大日陰)」に至ります。ここは夏には本当に心地良い涼しい避難所となります。グラン・クヴェールは、中央の大きな小道でふたつに分かれていて、それぞれにふたつのエクセドラ(半円形の石造りのベンチ)が置かれています。エクセドラは《アポロに追いかけられるダフネ》(1715年)、《ダフネを追いかけるアポロ》(1714年)(南のエクセドラ)など、ギヨーム・クストゥー(1677-1846)作の複製(オリジナルはルーヴル美術館所蔵)で飾られています。これらは、もともとはマルリー庭園のためにつくられましたが、18世紀にチュイルリー庭園に移されました。グラン・クヴェールには、20世紀や現代の作品も並んでいます。セーヌ側には、ブールデル(1861-1929)の弟子ジェルメーヌ・リシエ(1902-1959)作《チェスボード、大》(1959年)、もう少し先にはジュゼッペ・ペノーネ作の倒れた木《母音の木》(2000年)があります。

ふたつの小さな池の横では、ふたつの素敵なカフェが皆さまをお待ちしています。カフェ・ヴェリーとカフェ・ルナールです。
公園の西には、リヴォリ通りに沿って「葉叢の広場」があります。マルサンの東屋の前にはギュスターヴ・ミッシェル(1851-1924)作の《ジュール・フェリー(1832-1893)に捧げるモニュメント》(1910年)があります。ジュール・フェリーは公教育の父です。子ども向けのおもちゃのあるエリアには、ガブリエル・ペッシュ(1854-1930)作《シャルル・ペロー(1628-1703)に捧げるモニュメント》が立っています。そして、広場の端にあるのが、ジュ・ド・ポーム国立美術館。1991年に再編成され、現在では写真の特別展が行われています。

中央の道の方に戻ると、八角形の大きな池に出ます。回りにあるのは18世紀に設置された複製彫刻です。傾斜路のふもとには、ピエール・ブールディクト(1684?-1711?)作《テヴェレ川》(1685-1690年)や、ロレンゾ・オットーニ(1648-1736)作《ナイル川》など川の寓意像4体が1719年より置かれています。入り口の鉄柵の近くにあるニッチには、アントワーヌ・コワスヴォ作のアンドレ・ル・ノートルの胸像にもとづいてつくられた複製が置かれています。
「水際のテラス」の端には、ジュ・ド・ポーム国立美術館と並行して、オランジュリー美術館があります。ここにはモネ(1840-1926)の《睡蓮》やウォルター=ギヨームの印象派やエコール・ド・パリの絵画の素晴らしいコレクションが所蔵されています。1998年より、このテラスには《接吻》(1881-1898年頃)をはじめとするロダン(1840-1917)の作品も置かれています。このテラスから、ソルフェリノ歩道橋を通ってオルセー美術館へ行くことができます。
ここには、なんと3,000脚もの椅子やベンチがあるそうですから、皆さま、ここにいらしたら、その一脚にゆったりと腰掛け、移り変わる光や、素晴らしい彫刻作品を心ゆくまで眺めてみてください。それが、この素晴らしい庭園の楽しみ方です。

友情を込めて。

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Update : 2016.8.1

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