すべての人に門戸を開くパリ郊外の現代美術館
2005年、パリ南部のヴィトリ=シュル=セーヌ市(Vitry-sur-Seine)に
オープンしたヴァル・ド・マルヌ現代美術館は、今年で開館4周年を迎えます。
パリ郊外では初の現代美術館として開館したこの美術館は、
現代美術の普及を目指し、さまざまな意欲的な試みを続けています。
〜すべての人々に現代美術との出会いを〜20年におよぶ夢の結晶ヴァル・ド・マルヌ 現代美術館注目のアーティスト創意工夫に満ちた意欲的な 企画展

すべての人々に現代美術との出会いを 20年におよぶ夢の結晶
▲緑豊かな敷地に建つ美術館。
© Photo: Luc Boegly
 ヴァル・ド・マルヌ現代美術館は、新たな文化政策のシンボルとして、20年の構想を経て2005年11月に開館しました。建築家ジャック・リポー(Jacques Ripault)の設計による美術館の面積は1万3,000m2、そのうち4,000m2が常設展示室と企画展示室にあてられています。ガラス張りの現代的な佇まいを見せる美術館には、150席ある映写室や資料センター、アーティストのためのアトリエと宿泊施設、レストランなども併設されています。
 パリから美術館最寄りのバス停に降り立つと、訪問者をまず迎えてくれるのが、ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet)の巨大な彫刻です。さらにエントランスや庭園にも、現代アーティストの作品がさり気なく置かれています。そんな遊び心ある展示や演出が、来館者に現代美術への理解と親しみを深めてくれるのです。


ユニークな展示方法で人々を惹きつける 幅広いコレクション
▲子供から大人までが楽しめる展示が行われている。
© MAC/VAL, Musée d'art contemporain du Val-de-Marne
 この美術館のもっとも個性的な点のひとつは、そのコレクションにあります。1950年代から現代までフランスで制作された作品に焦点を絞ったコレクションは、絵画作品はもちろん、フランスのアートシーンを構成する写真や映像、インスタレーションなどあらゆる種類の作品を網羅しています。
 「私はまた戻ってくる(Je reviendrai)」と題された常設展の展示室のコンセプトは、「内的な旅への誘い」。全体を見通したとき、来館者はアーティストたちのイマジネーションの世界を旅しているような感覚をもつはずです。「旅をする」「出発する」「離れる」「運び去る」「想像する」「夢見る」「期待する」「探す」「見つける」「作る」「実現する」「戻る」……。展示順路のところどころに並べられたこうした動詞は、アートと観る者の人生とを結び付け、やがてそれぞれの物語を紡ぎ出していきます。

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ヴァル・ド・マルヌ現代美術館
  • 所在地
    place de la Libération
    94400 Vitry-sur-Seine
  • Tel
    +33(0)1 43 91 64 20
  • URL
    www.macval.fr
  • 開園時間
    12 :00-19 :00
  • 休館日
    月曜、1/1、5/1、12/25
  • 入館料
    一般:4ユーロ
    割引:2ユーロ
    18歳以下、学生:無料
  • アクセス
    メトロ7番線ヴィルジュイフ・ルイ・アラゴン(Villejuif-Louis-Aragon)駅下車、180番もしくは172番のバスでMusée MAC/VAL下車。またはポルト・ド・ショワジー(Porte-de-Choisy)駅下車、183番のバスでMusée MAC/VAL下車。
*無料ギャラリートークを火曜(12 :30〜)、水曜(15 :00〜)、土・日曜(16 :00〜)に行っています。

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。

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