Francais 日本語 郵便博物館
informations 3 2 1

▲シャぺの発明した光学電信の模型。
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

4番目の部屋では、18世紀から19世紀にかけて用いられていた、遠隔通信に関する数多くの発明品についてご覧いただきましょう。まず初めは、1793年にクロード・シャペ(1763-1805)が発見した「電信」です。この方式は、高所に設けられた支柱の先に固定させた腕木信号機を、望遠鏡によって見るというものでしたが、これは、動く模型をご覧いただければ、その構造がよくおわかりいただけることと思います。ヌヴェール陶器のお皿(1818年)には、当時パリで最も高い場所、モンマルトル教会の鐘に取り付けた電信が描かれています。お次は1843年、電気エネルギーによって電信機器と信号方式を創ったサミュエル・モールス(1791-1872)の発明です。その後、海底ケーブルが開発され、まずは電信技術によって、そして次には電話連絡によって大陸間が結ばれるようになります。


▲豊穣の女神ケレスをあしらったフランスの切手第一号。
1849年1月1日より使用された。
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

5番目の部屋には、中央に19世紀の郵便受け2つが展示されており、1830年から1890年までに行われた郵便システムの大改革について紹介されています。この時代、それまでの郵便配達の概念を覆すようなさまざまな変革が実現されましたが、とりわけフランス全土統一料金システムが発表され、郵便切手サービスが始まった1849年は、郵便史上、大きな出来事だったといえましょう。美術館には、豊穣の女神、ケレスの肖像画切手が貼られた最初の手紙が保管されており、1849年1月1日の日付が刻まれています。


▲20世紀初頭の地方(左)と、都市部(右)の郵便配達人の制服。
1830年 Dessin d’Henry Monnier
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

1830年には、地方の孤立を解消するため、地方サービスが組織化されました。1876年には、1万9000人の郵便配達人が毎日、自転車、またはこれに匹敵するものを使って郵便を配っていたそうですが、皆さま、その距離をご想像できますか。なんと、地球12周相当分ですって!こうした興味深い歴史とともに、郵便配達人の制服も飾られていました。地方の配達人の制服は、ゆったりとした青いブラウスと小さな赤い丸襟といった、とても着心地の良さそうなもの、一方、都市部の配達人は、もう少し上品な制服に身を包んでいたようです。


▲鉄道郵便車内での仕分けの様子。1909年。
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

フランス郵便史を辿るミュゼ訪問はまだまだ続きます。6番目の部屋では、郵便物をより効率的に配達することを可能にした技術革新についての展示がご覧いただけます。19世紀、陸上での郵便は、鉄道の時代を迎えます。展示室では19世紀の鉄道郵便車から1984年のTGVまでの鉄道の時代が、模型とともに紹介されていて、郵便物の仕分けが行程の途中で行われていた様子などがお分かりいただけます。一方、海上では、「定期船(大型客船)郵便」の登場によって、郵便物の輸送が定期的で、より速くなったのです。
そして、1866年、画期的なシステムが登場します。皆さまもお耳にしたことがあるかもしれません、かの有名なパリの「気送管速達」です。これは、下水管に設置した配管網の中で、圧縮させた空気を循環させ、それによって郵便物を高速で運ぶというものですが、ここでわたくしが多くを語るより、ガラスケースに展示された見本をご覧いただいたほうが良いかもしれませんね。


▲1818年モデルの郵便ポスト。
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

▲1925年Symianette2号モデルの郵便ポスト。
Collection Musée de La Poste Paris
© photographie Michel Fischer

7番目の部屋は1890年から今日までの郵便の発展と、社会におけるその本質的な役割に充てられています。今や地方の郵便配達人は、自転車や自動車での郵便物配達業務に加え、たとえば都会から買物の品や薬を届けるというような業務も行っており、人々の生活にかけがえのない存在となっています。ここでは、地方のある木造郵便局(1928年)が、電話ボックスと一緒に完全に復元されています。
郵便局、そして郵便配達人のイメージは時代とともに変化を遂げ、広告や映画、さらには子供のおもちゃを作るインスピレーションの源となってきました。郵便ポストの型式も、様々な変化の末、1962年には現在の型である黄色いポストが採用されます。1960年には、青い「矢印型の鳥」が郵便局の紋章となります。さらに、電話(1889年)や郵便小切手(1918年)などの新しいサービスも登場しました。


前のページへ 次のページへ