Francais 日本語 マイヨール美術館
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▲《ポモナ》1910年。
© A. de Montalembert

すこし戻って廊下を進まれましたら、ゴーギャンに捧げられた小さなガラスケースをぜひご覧になってください。紙の上にインクで書かれたココヤシの木の前に座る《2人のタヒチの女たち》(1894-1895)という特徴的な作品やエナメル彩色を施したさまざまなF器作品が並べられています。正面の小部屋には、釉をかけてつやを出した陶製の噴水がいくつもあり、マイヨールが陶芸品の装飾芸術にも関心を寄せていたことがお分かりいただけるでしょう。


▲マイヨールの彫刻展示室。
© Adagp, Paris 2009

廊下の左側の小さなサロンには、多産のシンボルである《腕を下ろしたポモナ》(1937)という作品のほか、マイヨールの友人たち(ゴーギャン、モーリス・ドニ、オディロン・ルドン)の作品が飾られています。暖炉の上には、親しい友人だったボナールの《くすんだ色をした裸》(1941-1946)という作品が正面を向けて置かれています。ガラス戸を開けると、この家の古いパン焼きオーブンがそのまま残されていることにお気づきになられるでしょう。

次は、素朴派の素晴らしい世界へとご案内しましょう。扇情的な作品《はしごの上の太った農婦》(1935)を描いたカミーユ・ボンボワ(1883-1970)や、セラフィーヌ・ド・サンリス(1864-1942)などの作品が展示されています。サンリスは、特別展のほか映画が大成功を収めたことから、最近になって再評価されるようになった画家。ドイツ人の大収集家の家で使用人として働いていたときに、その主人に画才を見出されました。《マーガレット》(1925)や、《木の葉》(1928-1929)といった作品をご覧になればお分かりいただけると思いますが、彼女は独学ながら、色とりどりの花を組み合わせて、見事に自然を描き出したのです。


▲《イル=ド=フランスのためのエチュード》1923年。
© Adagp Paris 2009

3階では、再びマイヨールの作品に出会えるでしょう。暖炉の上に置かれた、鮮やかな色遣いの《帽子をかぶったファライユ嬢》(1890)といった美しい絵画の数々や、病んでやせこけたルノワールの晩年の姿を捉えたブロンズの《ルノワール像》(1907)などがあります。美しいタピスリーを鑑賞されながら順路を進むと、マイヨールによる9点の女性像が展示された小さな展示室があります。これらの作品、ひとつひとつをよく見ていると、内面的世界に重きを置いたマイヨールが、できる限り削いだ表現で完璧な美しさを示すことにどれほど力を注いだか、ということがより一層理解できます。少し戻って、キャビネ・ド・デッサンと呼ばれる、デッサン画を集めた小部屋をぜひお見逃しないように。小さくてくつろげるこの温かい部屋には、傑作《手》(1920)を含むピカソの3作品や、宝石で飾り立てた美しくもふしだらな女を描いた藤田嗣治(1886-1968)のデッサン画《モンパルナスのモデル》(1927)が展示されています。

マイヨールの大きな彫刻作品をお気に召された方は、ぜひ、ルーヴル美術館のほど近くにあるカルーセル庭園を訪れてみてください。ディナ・ヴィエルニから寄贈された彫刻18体が、手入れの行き届いた素晴らしい庭園の中で強い存在感を放っています。これらの作品は、マイヨールがわたくしたちの時代における、最も偉大な彫刻家であることの証といえましょう。

マイヨールの重要作品が一堂に会するマイヨール美術館。それは、体の線を単純化して動きを取り除くことにより彫刻を抽象へと導き、ジャコメッティやアルプ、ブランクーシ、ローレンス、ヘンリー・ムーアといった芸術家に影響を与えた偉大なる彫刻家へ捧げられたオマージュなのです。そしてそれは、ディナ・ヴィエルニのコレクションに関連した特別展の独創的で素晴らしいプログラムでも傑出しています。ごく最近では、抽象の巨匠、セルジュ・ポリアコフと、ロシア・ソビエト時代の反アカデミスムで知られる、ロシア・アヴァンギャルドの特別展などがありますので、ぜひ、ご覧になってみてはいかがでしょう。

親愛をこめて。


▲マイヨール美術館の書店。
© A. de Montalembert

▲美術館が位置するグルネル通り。
© A. de Montalembert

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