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▲女の子のためのおもちゃの展示室
Collection musée du Jouet de Poissy
親愛なる日本の皆さまへ

今、パリのグラン・パレでは「玩具と人間」という展覧会が開かれています。このすてきな展覧会の開催を機に、小さなお子さまをお持ちの方、そして、幼い頃に遊んだおもちゃを懐かしいと思われる方々を、ポワシーのおもちゃ美術館へとご案内いたしましょう。パリからおよそ30km、セーヌ河沿いの小さな町ポワシーへは、RER(首都圏高速交通網)のA線で行くことができるのでとても便利です。


▲ポワシーの参事会教会
©A. de Montalembert

町の見どころのひとつは、12世紀に造られた参事会教会で、これは一見の価値のある建築です。そして同じ頃に大修道院も建てられましたが、現在は、入り口の門に当たる二つの塔のある美しい建物だけが残されています。おもちゃ美術館はこの建物の中にあるのです。ここに展示されているのは、1850年から1950年までのおもちゃ800点。訪れるすべての人に、喜びを与えてくれるコレクションです。子どもたちはもちろん、大人の方々も、童心に帰って夢中になるに違いありません。


▲12世紀の大修道院を利用して建てられたおもちゃ美術館
©A. de Montalembert

まずは、屋外用のおもちゃや伝統的なおもちゃを見てみましょう。ディアボロ、縄跳び、揺り木馬、ヨーヨーなどです。ヨーヨーは世界で最も古いおもちゃのひとつで、古代ギリシアの壺絵にも登場しています。西洋では長らく忘れられていましたが、1920年代に、ひとりのアメリカ人がきっかけとなって流行し、1990年からは光るヨーヨーが子どもたちを魅了して、再び大流行することとなりました。


▲木と鉄でできた揺り木馬(1860年頃)
Collection musée du Jouet, Poissy
©Studio Bernot

▲アントワーヌ・アンジオ《揺り木馬》1829年
Collection musée du Jouet, Poissy
©Studio Bernot

2階で紹介されているのは、1890年から1930年というおもちゃの黄金時代です。一歩、展示室に足を踏み入れると、大人の世界をミニチュアで再現した、何とも魅力的な世界が広がります。ひとつ目の部屋には大きな展示ケースがあり、女の子用と男の子用のおもちゃがたくさん飾られています。女の子と男の子はそれぞれに関心が違いますから、同じおもちゃでは遊ばないものです。女の子は家の中のことに興味があり、人形を赤ちゃんに見立てて、ご飯をあげたり、お着替えをさせてあげたりと、自分をお母さんに重ねてのおままごとに夢中になります。美術館では、小さな衣装ケースに入った人形の洋服や、鉄と銅でできた調理台(1890年)、彫刻が施された木の食器棚(20世紀初頭)、洗面台(1916年)などのおままごとのための品々が、たらいや洗濯板といった、それぞれの付属品とともに展示されています。足りないものは何もありません。


▲おままごとのお皿と人形が並ぶ
©A. de Montalembert

寝室には人形が二つ、まるで双子の赤ちゃんのように置いてあります。大きい方は1890年のものです。


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