Christian Dior Le Centenaire 1905 - 2005 クリスチャン・ディオール生誕100周年
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インタビュー
「ここは、彼と20世紀モードを考察する“生きた美術館です。”」
ジャン=ルック・デュフレン氏は、1987年にオートクチュールのデザイナー、クリスチャン・ディオールのメゾン創立40周年を祝す展覧会をグランヴィル市リシャール・アナクレオン美術館で開催しました。この展覧会が成功を収めたおかげで、1991年グランヴィル市は、「Présence de Christian Dior(クリスチャン・ディオール記念協会)」を設立します。この協会の運営のもと、1997年クリスチャン・ディオール美術館が開館しました。デュフレン氏は、クリスチャン・ディオール美術館の開館当時から現在まで館長を務められています。
クリスチャン・ディオール生誕100周年を迎え、祝典気分に沸く2005年グランヴィルの街。5月からの100周年記念展覧会を間近にひかえ、世界中からの来館者を迎える準備に奔走される《クリスチャン・ディオール美術館》学芸部長であり館長である、ジャン=ルック・デュフレン氏に美術館と展覧会の見所を伺いました。
MMF:設立当初からこの美術館に努め、大部分の時間を美術館に割かれていますが、そのきっかけは?
ジャン=ルック・デュフレン氏(以下JLD) : 1986年から87年、ディオールの生まれた町であるグランヴィルで、クリスチャン・ディオールは若干忘れられた存在でした。クリスチャン・ディオール公園がありましたが、なぜあるのか本当の理由を人々は知りませんでした。クリスチャン・ディオールがグランヴィルに深い繋がりのあることを思い出させるため、私は、このデザイナーのメゾン創立40周年を記念する大規模な展覧会を企画することを考えました。これが大変な成功を収め、寄贈と購入のおかげでコレクション(ドレス、資料、オブジェ)を創設することもできました。そして、私は、このコレクションは、クリスチャン・ディオールが幼年時代を過ごした家に収蔵されるのが、筋ではないかと考えたのです。
私がこうしたことを思いついたのには、いくつかの理由があります。まず、私の母がクリスチャン・ディオールの従姉妹だったということ。幼い頃に1,2回彼に会ったことがあるので、私は彼の人柄をほんの少しは知っていたのです。とりわけ、彼が回想を綴った本を読み、その中で、グランヴィルの思い出を非常に親しみのこもった口調で語っていて、偉大なクリエーターが自分の出身地とそのように深い絆で結ばれていることに驚いたのです。
「子供は人間の父である("the child is the father of the man")」という格言を、私は深く信じています。特に、若干芸術家肌の人々にとっては。おそらく、子供は人間全ての父ではないかもしれませんが、全ての芸術家の父である、と思うのです。グランヴィルでの青春時代によってクリスチャン・ディオールを説明することは、パリやニューヨークで、このデザイナーの作品によって人々が持つ視線とはまた別の視線に相当する特別なものです。
そのため、私は“記憶の場所”(芸術家の家)というコンセプトに従ってこの美術館構想を発展させましたが、同時に、20世紀モードについて深く考察する場所になることも希望しました。
MMF:では、グランヴィルのクリスチャン・ディオール美術館は、モードの美術館でもあるのですか?
JLD : 全くその通りです。家を美術館に改築し始めたとき、私はジレンマに陥りました。人々は、いくつもある小説家の家のように、その生涯を紹介するだけの博物館を私が作るのだろう、と考えていました。そして、私自身、この概念に引き込もらないよう闘わなければなりませんでした。私は、クリスチャン・ディオールのクリエーションの中に見られる数々のテーマについての展覧会が毎年開催できるような“生きた”美術館をつくるべきだと思っていました。もちろん、実際の家も親戚関係もなければ何もできませんでしたが、同様に、ディオールの創作について何も語らないなどということは考えられませんでした。
1996年から97年にかけて美術館を改装した際、結局それを芸術家の家というだけでなく、パリのモード美術館と同じ展示条件を備えた場所としてグランヴィルに生みだせたのです。
MMF:グランヴィルのクリスチャン・ディオール美術館13回目の企画である今年の展覧会の見所は?
JLD :今年の展覧会は特別です。というのも、今年はクリスチャン・ディオール生誕100年に当たるからです。私たちは、一人のデザイナーの誕生日を国家の祝賀行事とみなす許可を初めて取り付けました。さらに、2005年に国家が公認する12の展覧会の一つに本展も認められたため、この展覧会は大きな関心に包まれています。 また、カタログの序文を、オープニングにも出席予定の文化大臣が執筆してくれました。
展覧会のことをお話しますと、1987年に私が企画したメゾン創立40周年を記念する展覧会にも若干関係がありますが、今回の展覧会では、モードの創造という点に、より焦点が当てられ、クリスチャン・ディオールの人生を一望する機会であると同時に、改装された新たな美術館を大いに生かせる展覧会にもなります。一階にある芸術家の家としての側面を広げ、20年代のイメージを出すために(香水の歴史についての全業績とともに)庭園にもかなり手を加えました。さらに、この美術館が非常に貴重な作品、特にモード関係の作品を借り受けることのできるように、国際規格による空調も完備しました。
また、時期を同じくして私たちは重要な出版物を計画しています。先ほど、幼少時代の私が、著名な親戚の回想である『クリスチャン・ディオールと私』を、非常に楽しんで読んだことをお話ししましたが、『クリスチャン・ディオール、世紀の人』と私が名付けた本を、Artlysと共同出版します。この本には、多数の図版とともに、50年代から絶版になっている『クリスチャン・ディオールと私』からクリスチャン・ディオールの回想の完全復刻版が収録され、英語版も出版される予定です。
MMF:クリスチャン・ディオールと日本について何か一言いただけますか?
JLD :展覧会「クリスチャン・ディオール、世紀の人」では、彼の日本との関係にも触れています。京都服飾文化研究財団から数点のドレスを借りました。中には、大丸がディオール社と特別な協定を結んでいたときに、大丸が制作した50年代の2点のドレスも含まれています。「世界におけるディオール」というテーマはより掘り下げられ、「ディオールと東洋」というテーマは日本で展覧会のテーマの一つになるでしょう。
MMF:最後に、日本からの来館者にメッセージをお願いします。
JLD :グランヴィルは有名な史蹟モン・サン・ミシェルから40kmの場所にあり、5月15日から9月25日の間に、ここを訪れる際には、ちょっと寄り道をすれば私たちの展覧会を見逃さずにすみます。この展覧会では、特にニューヨークのメトロポリタン美術館から借りた非常に重要なドレスにお目にかかれる恩恵もあります。これらのことを、私たちの友人である日本の方々に忘れないようにお伝えしておきます。もし今年が駄目でも、来年以降、是非いらしてください。すでにお話ししたように、今年から美術館はより立派になったのですから。そして2006年以降、予約の上で団体のお客様には1年を通じて美術館を見学していただけます。
(2005年4月12日インタビューにて)
musee Christian Dior GRANVILLE MAISON des MUSEES de FRANCE
この特集は、クリスチャン・ディオール美術館メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスの共同で運営されています。
Copyright (C) 2005 Maison des Musées de France et Musée Christian Dior.
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