Dossier special - 国内の特集

  • 1.「作品のクオリティ」「ルノワールのすべて」
  • 2.「オルセーの至宝、初来日」「描かれた時代を体感」

オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展

「『ルノワールならもうわかっている』と思われるかたもいるかもしれません。しかし、まだまだ再発見してもらえることがたくさんあるのです」。 東京・六本木の国立新美術館で開幕した「ルノワール展」のオープニングの席でこう話すのは、今回の展覧会の監修者シルヴィ・パトリ氏。前オルセー美術館絵画部門主任学芸員で、現在はアメリカのバーンズ財団の副館長を務めるキュレーターです。彼女が語る、今回の展覧会の4つのポイントとともに、その見どころをレポートします。

シルヴィ・パトリ氏の見どころポイント1「作品のクオリティ」

▲《ピアノの前のイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》(左、1897-1898年頃/オランジュリー美術館)と《ピアノを弾く少女たち》(1892年/オルセー美術館)

▲《大きな裸婦》あるいは《クッションにもたれる裸婦》(左、1907年/オルセー美術館)と《横たわる裸婦(ガブリエル)》(1906年頃/オランジュリー美術館)

 今回の展覧会のポイントとして、パトリ氏がまず挙げたのが「作品のクオリティ」。世界3大ルノワール・コレクションに数えられるオルセー美術館とバーンズ財団でキャリアを積んだ彼女が、自信を持ってそう語るほど、今回のルノワール展の出品作は傑作揃いなのです。これはシンプルながら実現が難しく、そして鑑賞者にはもっとも嬉しいポイントでしょう。とりわけ、オルセー美術館とオランジュリー美術館がそれぞれ所蔵する関連作品を並べた構成は、この展覧会でしか堪能することのできない贅沢です。

シルヴィ・パトリ氏の見どころポイント2「ルノワールのすべて」

▲初期の代表作《猫と少年》(1868年/オルセー美術館)で展覧会は始まる

1860年代半に絵画の道に入り、1919年、78歳で生涯を閉じたルノワールには、60年に及ぶ画業があります。展覧会では10章立ての構成で、ルノワールの画業の変遷を辿ります。その内容は、オルセー美術館が誇る初期ルノワールの名画2点から始まり、都市生活を主題とした作品や身近な人々の肖像画等を経て、ルノワールがその死の年に描き上げたという裸婦像までの約100点。印象派から古典回帰の時代を経て、独自の境地へ到達した“ルノワールの全貌”がよくわかる構成になっています。

▲ルノワールのパレット

▲古典的な描写への転換期の作品《ジュリー・マネ》あるいは《猫を抱く子ども》(1887年/オルセー美術館)

▲亡くなる前の数ヵ月を費やして完成させた《浴女たち》(1918-1919年/オルセー美術館)

オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展

会期
2016年4月27日(水)
〜8月22日(月)
会場
国立新美術館 企画展示室1E
開館時間
10:00-18:00
※金曜日、8/6(土)、13(土)、
20(土)は20時まで
(入場は閉館の30分前まで)
休館日
火曜日
※ただし、8/16(火)は開館
観覧料
一般:1,600円
大学生:1,200円
高校生:800円
※中学生以下は無料
※この情報は2016年6月更新時のものです。
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