Français 日本語
チュイルリー公園マダムの連載の一部(10館)は書籍でもお楽しみいただけます。 バックナンバーを読む
informations 3 2 1

18世紀になるとメインゲートのアントワーヌ・コワスヴォ(1640-1720)作《名声》と《メルクリウス》をはじめとして、数多くの彫刻がこの庭園を飾るようになります。王の庭園は、優雅な待ち合わせ場所として、または大規模な催し物の場所であり続けました。1783年にはジャック・アレクサンドル・セザールとニコラ・ルイ・ロベールの熱気球がこの場所から上げられました。この時代の人々の楽しみとして、スタンドやカフェも設置されました。

革命を機に1793年、庭園は一般に公開され「国立庭園」となりました。庭園の再構成は画家ルイ・ダヴィッド(1748-1825)に委ねられますが、このときにつくられたものは、現在、中央の道の両側にある小さなふたつの池しか残っていません。

1801年、ナポレオン(1769-1821)がチュイルリー宮に居を定め、建築家のシャルル・ペルシエ(1764-1838)とピエール・フォンテーヌ(1762-1853)に依頼して壮麗な宮殿へと改装します。ふたりの建築家は、ローマのセプティミウス・セウェルスの凱旋門に倣い、カルーゼル凱旋門もつくりました。また新しい大通り、リヴォリ通りも開通します。王政時代のように、皇帝となったナポレオンもチュイルリー公園を公式な祭典の場として用います。1810年には、ナポレオンとマリア・ルイーザ(1791-1847)が結婚した際の行列がここを通りました。

ナポレオン3世(1808-1873)の治世下、1852年にオランジュリー美術館が、1861年にジュ・ド・ポーム国立美術館がつくられました。1871年、パリ・コミューンの際に、チュイルリー宮殿は火事によって一部破壊され、1883年、廃墟になった部分を取り除き、庭園をカルーゼル広場まで広げました。19世紀、20世紀には、戦争にもかかわらず、また政治体制のいかんにもよらず、公式行事や一般の催し物がここで行われます。1900年の万博の際には、区長たちの宴会で22,000人を集めました。1960年代から、彫刻作品の大規模な修復作業が開始され、庭園も手入れされます(花や草、35種類以上の木が植えられました)。

チュイルリー公園を散歩する際には、ルーヴル美術館の前にあるカルーゼル庭園からはじめることをお勧めします。まずは1809年、ナポレオンの勝利(特にアウステルリッツの戦いでの勝利)を記念して建設された壮麗なカルーゼル凱旋門をご覧ください。8本の赤大理石の柱の上に、帝国の兵士を表した像が載っています。頂上にはヴェネチアのサン=マルコ寺院のクアドリガ(四頭立て二輪戦車)の複製がありましたが、フランソワ=ジョゼフ・ボジオ(1768-1845)作のブロンズ製のクアドリガに置き換えられました。1964-1965年には、ドゴール大統領(1890-1970)のもとで文化大臣を務めたアンドレ・マルロー(1901-1976)が、マイヨール作の18体の彫像を置くために、カルーゼル庭園を再整備します。1995年以降、これらの彫像は、カルーゼル庭園の両側、扇形に並んだ12列のイチイの生け垣の間に立っています。右手に置かれた《三美神》(1938年)をご覧ください。とても魅力的なこの鉛製の像は、マイヨールの妻ディナ・ヴィエルニー(1919-2009)をモデルとした像です。《地中海》(1905年)は、落ち着いた表情をした女性が表現されています。左手には、《川》(1943年)と《山》(1937年)が向かい合っています。

チュイルリー公園に出る前に、ヴェルサイユの庭園に由来するふたつの大きな壺が飾られたテラスで足を止めてください。コンコルドからエトワール広場の凱旋門を通って、デファンスまでの素晴らしい眺めを見ることができます。中央の道を下ると、ル・ノートルが作った「グラン・カレ(方形大広場)」に着きます。左右対称のデザインとパースペクティヴの効果がとりわけ素晴らしいこの道の両側には、ルイ=オーギュスト・ルヴェック(1814-1875)による《ニンフ》(1866年)と《狩りの女神ディアナ》(1869年)があります。同様に、ふたつの小さな池の前にある、オーギュスト・カン(1821-1894)作の2体のブロンズの動物彫刻《ワニを投げ飛ばすトラ》と《クジャクを子供たちに持ち帰るメストラ》をご覧になってください。中央の丸い池は、八角形の池の半分の大きさですが、より大きく見えます。八角形の池の回りには、17世紀〜18世紀の壺と、第二帝政期に置かれた大理石の彫像とが交互に置かれています。ローラン・オノレ・マルケスト(1848-1920)作《ディアネイラを誘拐するケンタウルスのネッソス》(1821年)や、エティエンヌ・ジュール・ラメ(1796-1852)作《ミノタウロスと戦うテセウス》(1821年)など、彫像のほとんどは古代神話をテーマにしたものです。グラン・カレの端には、古代彫刻を模した2体の17世紀の彫像がやはり左右対称に置かれています。左がジョヴァンヌ・コミノ(?-1708)作《ファルネーゼのヘラクレス》(1670年)、右がアンブロジオ・パリーシ《ユリウス・カエサル》(1688年)です。セーヌ川寄りのもう少し先を横切る小道、ディアナの小道には、アントワーヌ・アンドレ(1665?-1710?)作のとても優美な彫像《ファルネーゼのフローラ》(1676年)が置かれています。

Update : 2016.8.1

ページトップへ

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。