この自然史博物館は「トゥールーズ博物館」と総称される3つの施設のうちのひとつです。ふたつ目の施設は博物館の裏に広がる植物園で、5000種以上のこの地方の植物を集めています。この植物園は通り抜けすることもでき、市民の憩いの場としても愛されています。もうひとつはトゥールーズの北側にあるレ・ジャルダン・デュ・ミュゼウムで、ここには世界の野菜の畑やバラ園などがあります。近い将来には、ガロンヌ川のほとりに魚に関する施設も誕生する予定です。
▲1階のエントランス横にあるブティック。オリジナル商品の他、本や図鑑、雑貨なども充実している。 最近のフランスの博物館、美術館の傾向を見ると、入場料を払わなくても利用できるおしゃれなブティックやレストランなどを併設したものが多くなっています。最初は集客のための設備と考えられていましたが、次第にレストランなどが独自の魅力を持ち始め、ミュージアムは本来の目的に加えて、人々のミーティング・ポイントとしての役割も担いつつあります。この自然史博物館もその流れを汲み、庭に面した素敵なテラスとミシュランの一つ星レストランの元シェフがお手頃な日替わりランチを出すレストランがあり、多くの市民が利用しています。
日本では子どもの理系離れが問題となっていますが、フランスに限らずヨーロッパでは、未来の技術者や研究者の志望者を増やすために子どもの興味をそそるような、遊び感覚の楽しい博物館作りが始まっています。博物館を訪ねるのは学習や教養のためではなく、純粋に面白いから。それが将来のモチベーションを育てると考えられているのです。
その意味でもこの自然史博物館は現代の博物館のあるべき姿と言えるでしょう。ここを訪ねてウキウキするのは子どもだけではありません。もちろん大人も存分に楽しめます。
▲植物園にいるクジャク。憩う市民のマスコットでもある | ▲博物館の裏庭は植物園。晴れた日はここにテラス・カフェも出る | |
日本では子どもの理系離れが問題となっていますが、フランスに限らずヨーロッパでは、未来の技術者や研究者の志望者を増やすために子どもの興味をそそるような、遊び感覚の楽しい博物館作りが始まっています。博物館を訪ねるのは学習や教養のためではなく、純粋に面白いから。それが将来のモチベーションを育てると考えられているのです。
その意味でもこの自然史博物館は現代の博物館のあるべき姿と言えるでしょう。ここを訪ねてウキウキするのは子どもだけではありません。もちろん大人も存分に楽しめます。
田中久美子(Kumiko Tanaka/写真・文)
- 所在地
35 allées Jules Guesde
31000 Toulouse - Tel
+33(0)5 67 73 84 84 - E-mail
valhuber@mnhn.frv - URL
http://www.museum.toulouse.fr/ - 開園時間
10:00〜18:00 - 休館日
月曜日、1月1日、5月1日、12月25日 - 入館料
<通常料金>
・一般:7ユーロ
・割引料金:5ユーロ
- コンコルドやエアバスをはじめとする航空宇宙産業の拠点。街の歴史はローマ時代にまで遡り、ルネサンス期には穀物や藍染料の交易で繁栄した。ガロンヌ川でとれるピンク色の粘土からつくった赤レンガの家が軒を連ねることから「バラ色の街」と呼ばれる。
- アクセス
<空路>
パリからトゥールーズ・ブラニャック(Toulouse Blagnac)空港まで1時間20分。市の中心部までバスで15分
<鉄道>
パリ・モンパルナス(Montparnasse)駅からTGVアトランティック線でトゥールーズ・マタビオ(Toulouse-Matabiau)駅まで約5時間。市内へは徒歩20分、メトロで2駅。 - トゥールーズ観光案内所
http://www.toulouse-tourisme.com - MMFインフォメーション・センターでは、エール・フランスの機内誌「Bon Voyage」のトールゥーズ特集号をお取り扱いしています。
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