

16世紀に建造された教会堂は、マルグリット・ドートリッシュ(Marguerite d'Autriche)が彼女の夫であるサヴォイア公フィリベルト2世(Philibert le Beau)のために造らせたものでした。マルグリットは神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(Maximilian I)とブルゴーニュ女公マリー(Marie de Bourgogne)の長女として誕生し、1501年12月2日、フランス王シャルル8世(Charles VIII)の従弟にあたるフィリベルト2世と結婚しました。しかし、その3年後の1504年9月2日、フィリベルト2世は狩猟の最中、不慮の事故により命を落とします。この時、マルグリット24歳。最愛の夫を亡くした彼女は、ブール=カン=ブレスの町のはずれに夫を埋葬するための教会堂を建設させたのです。現在、この教会堂にはフィリベルト2世のほかに、彼の母、そしてマルグリット自身が眠っています。


©musée du monastère royal de Brou
教会堂は1506年から建造が始まり、マルグリットが亡くなった2年後の1532年に完成しました。16世紀当時、ルネサンスの最盛期を迎えたイタリアでは中世とは切り離された新たな建築様式に向かっていました。一方、フランスでは、12世紀中頃に誕生したゴシック様式への嗜好が根強く、それをさらに洗練させた芸術様式が発達していきます。マルグリットは教会堂建設に際して、地元サヴォイア公国の芸術家や職人を登用するのみならず、隣国フランスやフランドル地方からも人材を結集させました。そのため、非常に豊かな国際様式のゴシック建築が完成するのです。

ゴシック様式の建築の多くには、かつて、堂内の聖なる空間と俗なる空間を仕切るための内陣障壁が存在しました。今日では、その多くは取り外されてしまっていますが、この教会堂では華麗な後期ゴシック様式の壁が我々を聖なる領域へと迎え入れてくれます。壁を一歩越えると、そこにはサヴォイア公国を支えた3人の墓があります。高い天井にまで届くかのようなステンドグラスから射し込む光が、繊細なゴシック様式の白い彫石に反射し、堂内は神秘的な雰囲気に満たされます。
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![]() © musée du monastère royal de Brou |
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- 所在地
63 boulevard de Brou 01000 Bourg-en-Bresse - Tel
+33(0)4 74 22 83 83 - Fax
+33(0)4 74 24 76 70 - E-mail
musee.de.brou@bourgenbresse.fr - URL
www.bourgenbresse.fr
www.brou.monuments-nationaux.fr/ - 開館時間
<4月1日〜6月30日>
9:00-12:30、14:00-18:00
<7月1日〜9月30日>
9:00-18 :00
<10月1日〜3月31日>
9:00-12:00、14:00-17:00 - 休館日
1月1日、5月1日、11月1日、
11月11日、12月25日 - 入館料
一般:7ユーロ
割引料金:4.5ユーロ
団体(20人以上):5.5ユーロ
*18歳未満、身障者、ブル友の会会員は無料。 - アクセス
電車:パリ、モンパルナス(Montparnasse)駅からジュネーブ・アヌシー方面のTGVで約1時間50分。ブール=カン=ブレス(Bourg-en-Bresse)駅下車。
高速道路:ディジョン・ブザンソン・ストラスブール方面よりA39(出口7番)。マコン・ジュネーブ方面よりA40 (出口7番)、リヨン方面よりA42(出口7番)。
- インフォメーション・センターでは、ブル王立修道院付属美術館の図録や「L'or du Japon 日本の至宝―フランスパブリックコレクション所蔵 南蛮漆器から江戸蒔絵まで」のカタログを閲覧いただけます。

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