
修道院の屋根裏部屋は、かつて美術館の収蔵庫として使用されていました。2005年に新しい収蔵庫が完成すると、所蔵品の大移動が始まりました。その際に、学芸員のマガリ・ブリア=フィリップ(Magali Briat-Philippe)女史は、屋根裏部屋の片隅で埃にまみれたひとつの箱のようなものを発見しました。この箱を、数人の専門家と共に鑑定したところ、16世紀に日本に到着したポルトガル人が日本の蒔絵職人に依頼して作らせた「南蛮蒔絵箪笥」であることが判明しました。南蛮漆器は、その歴史的背景からスペインやポルトガルでは現存作品が多く見受けられますが、フランスでは大変珍しく、この発見を機に、ひとつのプロジェクトが始動しました。

© coll. musée du monastère royal de Brou à Bourg-en-Bresse, cl. Philippe Hervouet

南蛮蒔絵書箪笥の発見を受け、フランス国内のその他の美術館にもこのような美術品が眠っているのではないかと調査チームが組まれました。チームの中心はジャポニズム研究の第一人者として知られるジュヌヴィエーヴ・ラカンブル(Geneviève Lacambre)名誉上席学芸員。フランス国内にある美術館の収蔵庫を丁寧に回ることで、今まで日の目を見ることの少なかった日本の蒔絵約150点を発見し、このブル王立修道院付属美術館において展示をするという企画が持ち上がりました。多くの作品群は、数世紀前に美術館に寄贈をされてから今まで展示されたことがないために、状態が悪いものも多く、88点が今回の展覧会のために修復されました。この「L'or du Japon 日本の至宝―フランスパブリックコレクション所蔵 南蛮漆器から江戸蒔絵まで」と題された企画展は、2010年5月2日にオープンを迎え、7月25日まで開催されます。その後は2010年8月28日から11月22日まで、同じく南蛮蒔絵書箪笥が発見されたアラス市立美術館への巡回が予定されています。
- 所在地
63 boulevard de Brou 01000 Bourg-en-Bresse - Tel
+33(0)4 74 22 83 83 - Fax
+33(0)4 74 24 76 70 - E-mail
musee.de.brou@bourgenbresse.fr - URL
www.bourgenbresse.fr
www.brou.monuments-nationaux.fr/ - 開館時間
<4月1日〜6月30日>
9:00-12:30、14:00-18:00
<7月1日〜9月30日>
9:00-18 :00
<10月1日〜3月31日>
9:00-12:00、14:00-17:00 - 休館日
1月1日、5月1日、11月1日、
11月11日、12月25日 - 入館料
一般:7ユーロ
割引料金:4.5ユーロ
団体(20人以上):5.5ユーロ
*18歳未満、身障者、ブル友の会会員は無料。 - アクセス
電車:パリ、モンパルナス(Montparnasse)駅からジュネーブ・アヌシー方面のTGVで約1時間50分。ブール=カン=ブレス(Bourg-en-Bresse)駅下車。
高速道路:ディジョン・ブザンソン・ストラスブール方面よりA39(出口7番)。マコン・ジュネーブ方面よりA40 (出口7番)、リヨン方面よりA42(出口7番)。
- インフォメーション・センターでは、ブル王立修道院付属美術館の図録や「L'or du Japon 日本の至宝―フランスパブリックコレクション所蔵 南蛮漆器から江戸蒔絵まで」のカタログを閲覧いただけます。

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