Francais 日本語 ザッキン美術館
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▲ザッキン美術館の庭園。
©A.de Montalembert
過去に使われていたというアトリエには、楡材や黒檀材、あるいは梨材の彫刻品が多く集められています。事実、ロシア生まれのザッキンは、生涯を通して扱う木材に対して特別な執着心を持っていました。

木材に対するザッキンの想いは、彼がインスピレーションの源として、木の幹を使用したことからも伺えます。この材質に大変な敬意を抱いていた彫刻家は、《ヴィーナス像》(1919)という作品で、切られた木の幹がもともと持っていた立体感や、木目模様、節目を残しておきました。このことが木に大変な存在感を与えているのです。腕を上げた豊満なシルエットの肢体と、なめらかな質感とやさしい色合いの木材──。思わずその肌に触れてしまいたくなる作品です。


▲美術館のベランダ。
©A.de Montalembert

このミュゼには400点余りの彫刻作品と300枚以上のデッサン画が所蔵されていますが、より多くの人々がザッキン作品に親しめるようにと、折々に特別展が企画されています。たとえば、2009年3月26日から7月5日までは、一般ではめったに見られないデッサン、素描などの作品が、数多く出展されることになっています。芸術家の活動の変遷への理解をより深めるものになることでしょう。

また、ザッキンのほか、シャガールやモディリアーニ、藤田といった偉大な巨匠たちが痕跡を残した「エコール・ド・パリ」の地位と前衛的影響についても、よりいっそうの理解を深めさせてくれます。


▲美術館のあるアサス通り。
©A.de Montalembert
そして、お友達としてのちょっとしたアドバイスをひとつ。美術館を出られたら、ぜひすぐ近くのリュクサンブール公園を散策なさってみて。アサス通りから入ると、《詩人、またはポール・エリュアール(1895-1952)への讃辞》というザッキンの作品をご覧いただけるのです。


▲美術館の隣は植物園。
©A.de Montalembert

最後に、ザッキンに捧げられたもうひとつの美術館のことを皆さまのお耳に入れておきましょう。フランス南西部ロート県のレザルクという小さな村にあるミュゼで、パリのザッキン美術館と同じくとても興味深いところです。彫刻家とその妻は、趣あるこの地方に独自の建築様式を持つ古い邸宅を購入しました。そして、1934年以降、ここを隠れ家としたのです。事実、彼の最も重要な作品のうちのいくつかは、そこで彫刻されたものなのです。

親愛をこめて。



▲大作が並ぶ庭園。
©A.de Montalembert
▲緑溢れる庭園にはくつろぐ人の姿も。
©A.de Montalembert

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