この6枚が飾られているのは、生地を守るために光量を落とした円形の特別室。ユニコーンと貴婦人とライオンが織りなす絵模様の6枚のうち、5枚はそれぞれ「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」の寓意を示しています。そして、最後の1枚は「我が唯一の望みに」と題されていますが、それが実際どんな意味を指しているのかは解釈が分かれるところです。貴婦人は他の5枚で身につけていた首飾りを手にしていますが、それがこれから着用するためなのか、宝箱にしまうためなのか、つまり、これが他の5枚の始まりなのか、終わりなのかもわかっていません。依頼主と目される当時の有力者ジャン・ル・ヴィスト(Jean Le Viste)が娘の結婚祝いに織らせたもので、「愛」を意味するという説もあります。赤と青が美しい絵模様を前にして、あなたはどんな印象を持たれるでしょうか。