

© Michiko HYUGA

© Office de Tourisme Gravelines - les Rives de l'Aa / M.Coeugnet
2008年10月11日、この町にイギリス・フランス・ベルギー・オランダから約300名の招待客が訪れました。お目当ては聖ジャン・バチスト教会内陣修復の落成式。フランス文化庁の注文で、現代彫刻の巨匠アンソニー・カロ(Anthony Caro)が初めて教会の修復のディレクションを手がけたとあって、国内外の注目を集めました。
聖ジャン・バチスト教会は11世紀にローマ様式で建てられ、13世紀には、イル・ド・フランス地域の教会の影響を受け内陣がゴシック様式に作り直されました。その他、15世紀の翼廊や18世紀のパイプオルガンなどを備えた教会堂は、1920年、歴史建造物に指定されます。しかし、第二次世界大戦の戦火を被り、教会は一部崩壊。その後、補強工事がされただけで、半世紀ものあいだそのままに放置されていました。そして、1997年、文化庁は教会の修復を決定し、アンソニー・カロを迎えることになったのです。

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アンソニー・カロ:Anthony Caro
現代彫刻界を代表するアーティスト。1924年出生イギリス人。1950年初頭には、ヘンリー・ムアの最後のアシスタントとなる。現代のイギリス・アートを代表する、リチャード・ロング(Richard Long)、ビル・ウッドロウ(Bill Woodrow)、バリー・フラナゲン(Barry Flanagan)ベールとジョージ(Gilbert & George)はカロの教え子。ニューヨークのMOMA、東京国立近代美術館、ロンドンのテート・モダンやギャラリーがコレクションしている。
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取材:日向倫子(Michiko HYUGA)


- Mairie de Bourbourg(ブルブール観光案内所)
http://www.ville-bourbourg.com/ - ブルブールの伝説
伝説の人物ゲデオン(Gédéon) :
今回、アンソニー・カロの手で生まれ変わった聖・ジャン・バチスト教会ですが、ブルブールではこの教会の鐘にまつわる古い伝説が残されています。それが、ゲデオンの伝説です。
14世紀フランドル伯内の戦争中、聖ジャン・バテスト教会の鐘を鳴らす仕事をしていたゲデオンは、グラーヴェリン付近の安全な場所まで運び隠し、イギリス軍より保護して、ブルブールの英雄となったのです。鐘は時代とともに新しく作り直され、その鐘の音とともにゲデオンの伝説を今に伝えています。毎年聖ジャン祭では、村人たちが大きなゲデオンの人形に随行してお祝いする様子が見られます。2009年の聖ジャン祭 は6月20日~21日。第82回ゲデオン随行は6月21日。
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