
© Shigeru Ban Architects Europe et Jean de Gastines Architectes / Metz Métropole / Centre Pompidou-Metz / Photo Olivier H. Dancy
L.L.:この建物は11,000m2あり、5,500m2の企画展スペースと、管理システム、倉庫、オフィスのためのスペース5,500m2からなります。注目していただきたいのが、企画展のスペースとその他の広さが1対1の関係になっている点です。ほかの美術館では、1m2の展示スペースに対して、管理システム、倉庫、オフィスなどが2〜5m2も占める場合も多々あります。こうした面積の点から見ても、メッスでは企画展のためにすべてが捧げられているということが分かっていただけるでしょう。
坂茂(Shigeru Ban)氏の建築は、透けている点やしなやかさ、光、曲線など、パリのポンピドー・センターの要素を多く受け継いでいます。しかし同時に独創的な建築であり、大きく分けてふたつの特徴を持っています。ひとつ目はコンクリート、金属、ガラスを使用した部分で、高さ40mの六角形の金属のタワーを軸とした素晴らしいコンクリートの構造です。

© Shigeru Ban Architects Europe et Jean de Gastines Architectes / Metz Métropole / Centre Pompidou-Metz / Photo Olivier H. Dancy
長方形のギャラリーは、幅15m、長さ100mで、45度ずつずれて重なりながら、それぞれの位置から街の景観を望めるようになっています。そこから見える3つの景観は、現代的な地区、ドイツ地区、メッスの大聖堂です。これらのギャラリーの床には100万もの小さな穴が開けられており、湿度や温度を保ったままで、さまざまなタイプのスペース分割が可能です。つまりどんな企画展でも行うことができるというわけです。
そしてふたつ目の特徴は、これらすべての構造を覆う1,600ものカラマツとエゾマツの合成材の見事な骨組み、そしてさらにそれを覆う透明のポリテトラフルオロエチレンの膜です。これらは特に夜になると魅惑的な表情を見せてくれます。「ランプのような」とでもいいましょうか……、非常に特別なものです。開放的かつ来館者を懐深くまで迎え入れ、また楽しませてくれる建築であるといえるでしょう。
L.L.:はい、驚くほど。住民から反対を受けたパリのポンピドー・センターの建設の際とはまったく異なります。パリの建物はとてもカラフルで、インダストリアルな傾向があります。メッスのコンセプトはそれとは異なり、無垢な白を使用した建築です。街の人に実際に質問してみる必要もありますが、うまく受け入れられているように思います。
L.L.:その通りです。日本のエスプリですね。ホールは坂茂氏の考えで、自然界と人間界の境界といったコンセプトを持っています。

- 所在地
1, parvis des Droits de l'Homme CS 90490 F-57020 Metz Cedex 1 - Tel
+33(0)3 87 15 39 39 - URL
http://www.centrepompidou-metz.fr - 開館時間
月曜、水曜 11:00-18:00
木曜、 金曜 11:00-20:00
土曜 10:00-20:00
日曜 10:00-18:00 - 休館日
火曜日 - 入館料
一般:7ユーロ
26歳未満 :無料 - アクセス
パリ東駅よりTGVの直通電車で1時間20分。
- インフォメーション・センターでは、ポンピドー・センター=メッスの図録やパンフレットを閲覧いただけます。

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