Rénovation du Musée d’Orsay 新生オルセー美術館

2年間にわたり改装工事のため館内の一部が閉鎖されていたオルセー美術館が、2011年秋、ようやくすべての工事を終え、待ちに待った全館オープンとなりました。「印象派のギャラリー」を中心に、美術館のイメージを丸ごと変えてしまうほどの大規模な改築。すでにオルセーに行ったことのある人も、改めて足を運べば初めてこの美術館を訪れたかのような錯覚に陥るかもしれません。

待望のリニューアルオープン

MMFwebサイトでは、今月から2か月にわたって、オルセーのリニューアルを大特集いたします。2010年に来日した際、ギ・コジュヴァル(Guy Cogeval)館長は、今回の改修プロジェクトについて、その完成予想図とともに、詳細に語ってくださいました。今月の特集では、そのときに披露された完成予想図と、改修後の姿を比べつつ、新生オルセーの注目ポイントをダイジェストでお伝えいたします。

19世紀から20世紀初頭の西洋美術の流れを よりわかりやすく

 昨年の12月、開館から25周年を迎えたオルセー美術館。パリの主要な美術館として人気を二分するルーヴル美術館に比べれば、その歴史はとても短いものですが、19世紀から20世紀初頭のヨーロッパ美術の、世界で最も優れたコレクションを所蔵する美術館のひとつとして、世界中の美術ファンを魅了しています。西洋美術史における19世紀といえば、印象派をはじめとした新しく革新的な芸術の流派が相次いで生まれた時代。その芸術変革の時代へと私たちを誘う「窓」の役割を果たしているのが、オルセー美術館です。
 今回の大規模工事の大きな目的のひとつは、当時の芸術をよりわかりやすく一貫性のある流れで展示することでした。そして、改装工事の要となった5階の印象派のギャラリーだけでなく、企画展示室、装飾美術を集めた「パヴィヨン・アモン」、そして大時計裏のカフェの全面リニューアルなど、延べ7,200m²もの空間が新生オルセーとして生まれ変わることとなりました。

パヴィヨン・アモン

傑作群をより一層魅力的に 見せる空間が誕生

 オルセー美術館の来館者は外国人を中心に年々増加し、現在では、毎年300万人にも上っています。年を追うごとにコレクションも増加し、展示室の広さや見学の順路に関する問題が指摘されていました。また美術館の大きな見どころである印象派とポスト印象派の作品が、他の展示室から孤立した美術館5階部分に集められていることが、来館者をそれ以外の作品の鑑賞から遠ざけてしまう原因となっていました。こうした問題点を解消すべく、2008年にオルセー美術館館長に就任したギ・コジュヴァル(Guy Cogeval)氏によって掲げられたのが、ダイナミックな美術館改装のプロジェクトでした。
 今回の工事を機に見学経路の大幅な変更が行われ、それに伴って移動されることとなった所蔵作品の点数は実に1,000点以上に上ります。また大々的な内装工事によって、オルセーが所蔵する傑作の数々を、より一層魅力的に見せる空間が誕生しました。特筆すべきは、新しく設置されたスポットライトと、それまでの白色に代わり使用されている深い色味の壁です。効果的なライティングに照らされた作品の数々は、落ち着いたトーンの壁の色に映え、見慣れた作品であっても、色彩、奥行きと、今までとは異なる印象を与えてくれます。

5階展示室

Update : 2012.1.1
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オルセー美術館 Musée d’Orsay

  • 所在地
    62, rue de Lille 75343 Paris
  • Tel
    +33 (0)1 40 49 48 14
  • URL
    http://www.musee-orsay.fr/fr/
  • 開館時間
    9:30-18:00
    木曜日は9:30-21:45
  • 休館日
    月曜日、1/1、5/1、12/25
  • 入館料
    一般:8ユーロ
    割引料金:5.5ユーロ
    18歳以下:無料
*情報はMMFwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は美術館ホームページでご確認いただくか、MMFにご来館の上おたずねください。
 

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