よりサン・キャトルの魅力をお伝えするために、実際に開催されているイベントやアクティビティを幾つかご紹介しましょう。取材に訪れた時には、6月に開催されたパリ市主催の「Futur en Seine(セーヌの未来)」というデジタルアートのフェスティバルの準備が行われているところでした。こうした準備風景を見られるのもこの施設の楽しみです。制作の裏側を垣間見ることで、よりアーティスト、そして作品への距離が縮まります。
また、週末には無農薬(Bio)のマルシェ(市場)が開かれたり、地域住民のためのパーティーが企画されたりと、地域密着型のアクティビティも開催されています。ここでの規則はただひとつ、「周りの人に迷惑をかけないこと」。それさえ守れたら何をしても自由なのです。
今年の秋冬のメインイベントは自然をテーマにしたグループ展「Par nature(自然のままに)」で、9月22日から2013年3月17日まで開催されます。また9月25日から10月の終わりにかけては、2回目の開催となる、ベルヴィル・ビエンナーレの一環として「L'Artothèque de Belleville(ラルトテック・ドゥ・ベルヴィル)」というイベントが開かれます。ベルヴィルは、パリ東部の活気溢れる下町で、最近お洒落なパリジャンたちが集まる場として注目されている地域です。このイベントは、まるで図書館で本を借りるように、公共の物として現代アートの作品を無料で借りることができるユニークなもの。また、年間を通して行われるイベント「C'Le Chantier(セ・ル・ションティエ)」では、レジデンスを持つアーティストに実際に会って制作の様子を見たり、質問をしたりできます。
サン・キャトルの活動やイベント、テナントを見ていると、「パリの今」を感じさせてくれる場、という印象を受けました。アートと生活の関わり方はもちろん、エコロジー対策や(例えばテナントのお店でも商品を入れる手さげの紙袋は一切配っていません)、社会的問題への対策(失業率の高い周辺地区の住民や、障害のある方などを積極的に採用)、子だくさんの若い親たちのための企画、コンサートの演目なども、現在のパリジャンたちの興味や生活スタイルを肌で感じられる、そんな雰囲気に溢れていました。いつ行っても刺激的でかつリラックスできる、時間ができたらふらっと足を延ばしてみたい、そう思わせてくれる場所です。
次回の「パリの現代アート」特集では、2011年、パリ3区に誕生したフランス初のデジタル・ミュージアム「ゲテ・リリック」をご紹介します(11月1日アップ予定)。
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- 所在地
104 rue d'Aubervilliers 75019 Paris - Tel
チケット窓口
+33(0)1 53 35 50 00
総合窓口
+33(0)1 53 35 50 01 - URL
http://www.104.fr/ - 開館時間
11:00-20:00
金・土曜日は23:00まで
アトリエの公開は16:00-18:00 - 休館日
月曜日 - 入館料
無料
ワークショップ、
上映会などは別途要入場料 - アクセス
地下鉄2、5、7番線Crimée駅またはStalingrad駅下車
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