ディ・ノイエ・ザムルングは1907年、世界で最初に誕生したデザインミュージアムです。世界最大のデザイン・コレクションを有する美術館でもあり、インダストリアル・デザイン、応用芸術、グラフィック・デザインの分野に関するコレクションの数は、約8万点に上ります。
質が高く、多様性に富み、歴史的深みのあるこのコレクションは、デザインが発展を遂げる中でたどってきたあらゆる側面を、ユニークなかたちで現代に伝えてくれます。そして、現代デザインのトレンドを見せるための、現在進行形の場として、革新的な特別展や協力プロジェクトを開催しています。
ドイツ南部、バイエルンの州立美術館として運営されており、2000年、次いで2002年には、分野の垣根を越えたコンセプトを持つふたつの大規模な新館が誕生しました──「ニュルンベルク新美術館」とミュンヘンの「ピナコテーク・デア・モデルネ」です。これらの新館の誕生によって、この時初めて、デザインの分野の総合的な常設展示が、美術、グラフィック・アート、建築とともに一般の人々に公開されることになったのです。
ディ・ノイエ・ザムルングの歴史は、今からおよそ100年前に遡ります。
1907年、ドイツ工作連盟がミュンヘンで結成されました。この運動の背景にあった考えと密接にリンクしながら、“典型的品目からなる近代コレクション”が形成され始め、これが、ディ・ノイエ・ザムルングの核となりました。ごく初期の時代から、典型的デザイン、つまり今日われわれがデザインと呼ぶ “近代の”日用品を収集することに重点が置かれたのです。1925年、美術館は州立の施設となり、1929年、“ディ・ノイエ・ザムルング”という、この美術館が持つ役割をすべて言い表した特徴的な名称が誕生しました。
美術館に冠された「ディ・ノイエ・ザムルング(Die Neue Sammlung)」とは、英語の「The New Collection」に該当するドイツ語です。そしてこの「neue(ノイエ)」という言葉は、美術館の立ち位置を明確に表しています。つまり、同時代の美術・工芸品を扱う美術館とは一線を画し、常に、最先端のデザイン・シーンを追いつつ、国際的な視野で活動する美術館なのです。この、アヴァンギャルドな目的意識は、今日もなおディ・ノイエ・ザムルングの特徴であり続けています。
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ニュルンベルク新美術館が誕生するまでの歩みを紹介します。>>
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