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フォントがどんどん好きになる!
楽しくて奥深い「フォントかるた」

MMM3階のアートスペースでは6月23日まで、「文字・タイポグラフィ特集」を開催中です。
日ごろ何気なく目にしている「文字」には、思わぬ魅力が潜んでいます。
そんな文字の力を存分に楽しむことができるグッズがあるのをご存じですか? その名も「フォントかるた」。
じつは、MMMブティックの中でも、一、二を争う人気のグッズのひとつで、MMM3Fの「文字・タイポグラフィ特集」でも展示・販売しています。
今月は、その「フォントかるた」の魅力を、「フォントかるた」の解説を担当されたデザイナーでライターの伊達千代(だてちよ)さんにうかがいました。

「フォントかるた」ってなに?

普段、印刷物やWEBサイトなどで、目にしているさまざまなフォント(書体)の中から、48種類を選んでかるたにしたものです。取り札の表には書体見本、裏には表と同じ書体で書体名が、読み札には書体名に加え解説と書体見本が印字されています。
「2017年に仲間内の新年会で遊ぶために、グラフィックデザイナーのせきねめぐみが『フォントかるた』を試作したのが始まりです」と伊達さん。自宅のプリンターで印刷した試作品で遊んでいる様子をツイッターに投稿したところ、話題になり、商品化することが決まったそうです。自由な発想とフォントの魅力が相まって実現したユニークな、かるたです。

「フォントかるた」の遊び方

読み札に書かれたフォント名を読み手が読み上げ、そのフォントが使われている取り札を取ります。すべての取り札には、異なるフォントで同じ文章「愛のあるユニークで豊かな書体。」が印刷されています。普通のかるたのように、大人数でわいわい対戦したり、百人一首のように二人で対戦したりできます。取り札をめくると、裏に書体名が書かれているので、どんどんめくって覚えることもできますね。「フォントかるた」は、お手付きも上達への道です。また、2セット使えば、神経衰弱のような遊び方もできます。

大人数でわいわい対戦・百人一首のように二人で対戦

伊達さんオススメの
「フォントかるた」の遊び方

「フォントかるた」は書体に詳しいマニアックな方向けと思われるかもしれませんが、制作する際には、幅広い層の方に遊んでもらえるように、覚えやすい個性的なフォントを多く取り入れるように工夫したそうです。
「読み札に解説をつけるようにして、フォント名をご存じない方にも、解説を聞けば書体がイメージでき、札が取れるようにしました」と伊達さん。
ぜひ、フォントに馴染みの薄い人でも気軽に遊んでみてほしいと話します。詳しい方はメンバーを集めて、競技かるたのように“激しく”遊ぶのも楽しいですね。また、伊達さんは、カードをめくりながらフォントを見比べて、ひとりで楽しむことも多いとか。“お試し挑戦タイプ”から“激戦タイプ”、さらにはおひとり様“マニアックタイプ”まで、さまざまな遊び方ができるのも、「フォントかるた」の魅力のひとつです。

上級者向け
拡張パックも限定商品で登場!

夢中になって繰り返すうちに、従来の「フォントかるた」の札はすべて覚えてしまったという強者もいるのだとか。そんな上級者に向けた「拡張パック白・黒」が登場しました。どの札も一瞬では同じように見えますが、よく見比べてみると、仮名と漢字のバランスが違うなど、どの書体として同じものはないそうです。拡張パックは、白と黒の2種類。各12種類の書体が追加され、ぐっと難易度がアップしました。難易度を“鬼レベル”にする拡張パックは、限定数生産。上級者は急いでゲットすべしです!

知れば知るほど
奥深い
フォントの魅力

「フォントかるた」を知り尽くした伊達さんは、フォントの魅力をこう話してくださいました。
「文章とフォントはよく料理と器に例えられます。同じ料理(文章)でも、どんな器(フォント)に盛るかで見た目はもちろん、味わいまで違って感じられます。どんなに素敵な料理でも、似合わない器に盛ってしまっては台無しでしょう。フォントの性格やデザインの違いを知ることは、世の中に溢れている文字情報をより豊かに味わうことができるひとつの手がかりになるはずです。さらに自分で料理に合った適切なフォントを選び出すことができたら、それはビジネスでも創作活動でも大きな武器になるのではないでしょうか。
いま日本語のフォントは、有償無償合わせて2,000書体以上あると言われています。それらのフォントには、ひと文字ひと文字、直線やカーブのひとつひとつにもそのフォントの系譜やデザインした人の思想が反映されています。活字の時代から続く文字のデザインの流れを眺めたり比べたりすることは、現代の人に許された贅沢な幸せだと考えています」

フォント愛に溢れた伊達さんはじめ、制作者の方々には、それぞれお気に入りの札があるのだとか。ちなみに伊達さんは、「精興社(せいこうしゃ)書体」という村上春樹氏や吉本ばなな氏をはじめとした文学小説によく使われる優しく読みやすい明朝体がお気に入りだそうです。
皆さんも、ぜひお気に入りの“愛のあるユニークで豊かな書体”を見つけ出してください!

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