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Chers amis,親愛なる日本の皆さまへ

プロヴァンス地方の歴史的中心地エクス=アン=プロヴァンス。かの有名な近代絵画の父ポール・セザンヌ(1839-1906)が生まれたこの町は、「芸術の町」として知られ、豊かな文化遺産と恵まれた立地条件、素晴らしい気候に恵まれた理想的な観光地で、毎年多くの人々が国内外から訪れています。

パリ、そしてヴェルサイユに次いでフランスで3番目に重要なバロック建築の美を堪能なさりたい方は、ぜひ十分に時間を取ってゆっくりと散策をお楽しみになってください。夏には、噴水のある広場のお散歩が爽やかでおすすめです。17〜18世紀の壮麗な邸宅に囲まれ、プラタナスの街路樹が彩を添えるミラボー広場は、数多くのカフェやレストランが軒を並べる、エクスで最も賑やかな場所。ミラボー広場を挟んで旧市街の反対側に広がるのは、17世紀につくられたマザラン地区。こちらの地区もまた、美しい場所の宝庫で、「四頭のイルカ広場」にはサント=ボウムの石でつくった素晴らしい噴水があり、町のシンボルともなっています。

この地区には素晴らしい邸宅もあり、そのいくつかは全面的に改装を施され、美術館として生まれ変わっています。内装の美しいコーモン館は美術センターに、かつてのマルト宮殿はグラネ美術館になっています。14世紀から20世紀までの美術コレクションに加え、とりわけセザンヌに重点が置かれ、フランスの美術館の中で最も素晴らしく最も豊かなセザンヌ・コレクションを誇っています。

パリからローマへの中間に位置するエクスは、17〜18世紀頃にはローマを目指す芸術家たちの中継地となっていました。この地に宿をとった芸術家たちはエクスの町に魅了され、南仏の光やサント=ヴィクトワール山が威容を放つ風景を着想源としました。20世紀には、タル=コート(1905-1965)、マッソン(1896-1987)、ピカソ(1881-1973)といった芸術家たちがここに居を定めました。

1838年に開館したグラネ美術館の1階には、まず市役所のコレクションが展示されています。19世紀から今日まで、数々の寄贈、遺贈、委託によって数を増やしてきたコレクションです。中でもとりわけ重要なのがフランソワ=モーリス・グラネ(1775-1849)による非常に大規模な遺贈、2000年のフィリップ・メイエ(1925-2007)による「セザンヌからジャコメッティまで」の素晴らしいコレクションの寄贈、そして2011年、スイス人の大コレクター、ジャン・プランク(1910-1998)・コレクションの委託です。20世紀の最も影響力のある芸術家の傑作群からなるプランク・コレクションは、グラネ美術館近くにある素晴らしい改装工事を経たカルメル会修道会のペニタン・ブラン礼拝堂(17世紀)に展示されています。そして今日、グラネ美術館は1万2000点以上の作品を所蔵しているのです。

Update : 2017.2.1

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