今年はジョン・レノンがニューヨークで凶弾に倒れてから25年目にあたります。世界各地で追悼イベントが行われていますが、この博物館でも6月25日まで「ジョン・レノン　unfinished music (終わらない音楽)」というタイトルの特別展が催されています。 展示は2フロアに分かれており、最初は階段を降りて地下へ。ここはレノンがリバプールで生まれてからビートルズを結成し、世界的な成功を収めるまでの軌跡が紹介されています。いなくなってしまった両親、そしておば夫婦に育てられた子供時代の写真、学校の成績表、落書きなど、レノンが世に出てくるまでの記録が特に興味を惹きます。リバプールで売れ始め、ハンブルグのタバーン・クラブでの伝説的なライブ、それ以降の世界的な躍進ぶりがその次に続きます。ぜひ見て欲しいのが、このフロアの奥のドアを押して入るスタジオです。 ロンドンのアビーロードにあったEMIスタジオを再現しており、ここではジョージ・マーティンのプロデュースのもと、「リヴォルバー」「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」など、多くの名作が録音されました。当時の雰囲気を伝える機器が並んでいます。 1.ジョン・レノンの特別展「Unfinished music（終わらない音楽）」のエントランス。 2.ロンドン、アビーロードにあったスタジオが再現されている。ここでは「レット・イット・ビー」などが録音された。 3.展覧会のタイトル・イメージとなっているウォーホール作のレノンの肖像とレノンが使っていたスタンウェイ。 4.ビートルズ時代のレノンのステージ衣装の数々。 5.若き日のレノンの写真が壁いっぱいに。このイギリス風の電話ボックスではCDを聴くことができる。 6.ビートルズ時代のレノンを紹介するフロア。 次は1階へと進み、レノンがオノ・ヨーコと出会い、ビートルズを解散してソロ活動を始め、アヴァンギャルドに変化する60年代後半から、音楽も行動も平和活動に呈する様子を彼が残した自筆の歌詞のメモ、デッサン、思い出の品なども含めて展示しています。当時の世相、時事なども紹介し、それにレノンがどのようにリンクして行ったのか、が探れる面白い展示です。 展示会場を出たところには、真っ白い部屋があります。レノンに関する本を手に取ったり、短冊にメッセージを書き綴るためのスペースです。ビートルズの思い出、レノンへの思い、平和への祈りなど、各人の短冊が七夕のように木に結びつけられています。訪れたなら、ぜひあなたもどうぞひとこと。 7.レノンの活動は時代と密接にリンクしていた。当時の時事の説明。 8.壁の黄色の標語はレノン自筆のもの。中央にあるのは、1964年のギブソンJ1606モデル。別名、ベッド・ピース・ギター。 9.レノンの展覧会場を出たところにある白い部屋では、思い思いにレノンへの思いを書き綴れるように短冊が置いてある。 © Andreas Licht ■ 所在地： 221, avenue Jean Jaurés 75019 Paris ■ 地図： こちら ■ 休館日： 月曜日 ■ 開館時間： 火-土曜 12:00-18:00 日曜のみ 10:00-18:00 ■ 入館料： 一般：7ユーロ 割引：3.4ユーロ（18歳以下） ■ URL： http://www.cite-musique.fr/ ＜展覧会情報＞ 音楽博物館では、没後25周年を記念した展覧会「ジョン・レノン、 unfinished music (終わらない音楽)」展を2006年6月25日まで開催中です。本展カタログはインフォメーションセンターにて閲覧いただけます。 インフォメーションセンター ● 音楽博物館の公式ガイド・ブックをインフォメーションセンターにてご覧いただけます。

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