Francais 日本語 パリ人形博物館
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▲《東洋風の人形のいる風景》1883-1900年
©Photo Jean Dalmard / Collection Musée de la Poupée-Paris
1892年の万博では、たくさんの異国風モデルが展示されました。《東洋風の人形のいる風景》(1883-1900年)では、大変美しい着物を着た人形たちが、紙提灯の明かりに照らされている様子を観ることができます。日本で製作されたベベもあるにはありましたが、その多くは衣装以外にアジア的なものはありませんでした。

▲《フランス・ミニョネットの二人》1880年
©Photo Jean Dalmard / Collection Musée de la Poupée-Paris
1870年代には、最大でも20cmしかないことから、「ミニョネット(小さい女の子)」と呼ばれたポケットサイズの人形が人気を呼びました。とても優雅で贅沢な衣装を身につけたミニョネットたちの姿は、在りし日のままの家具や、壁紙、レース、絹の飾り布が施されたミニチュアサロンで楽しむことができます。

▲《学校の風景》1910年頃
©Photo Jean Dalmard / Collection Musée de la Poupée-Paris
20世紀初頭、フランス人形玩具組合(S.F.B.J.)は、よりリアルで表現豊かな「キャラクター・ドール」を発表しました。《学校の風景》をご覧になってください。田舎の学校で学ぶ子供たちのいきいきとした様子が、手にとるように伝わってくるではありませんか。子どもたちの表情や姿勢はひとりひとり異なり、女性教師は子どもたちの方を向いています。教師の横には、ロバの帽子をかぶった子どもがひとりいますが、これはその子がお仕置きされていることを意味しています。他の生徒たちは机の上で本を広げ、後ろの方ではひとりの少年が質問をしようと指を立てています。

▲《グーグリー アーモンド・マルセルとS.F.B.J.》1910-1915年
©Photo Jean Dalmard / Collection Musée de la Poupée-Paris
もうひとつ、とても特徴ある人形があります。<グーグリー>と呼ばれ、なんとも面白い表情をした小さな人形です。アルザス地方やブルターニュ地方の民族衣装を着て、おどけたいたずらっ子のような笑顔を浮かべ、ビー玉のように丸い目は陽気に輝いています。

▲1930年代のセルロイドの人形。
©Photo Janne Le Moine / collection Musée de la Poupée-Paris
▲《シュゼットの一週間の人形》1905-1950年
©Photo Janne Le Moine / collection Musée de la Poupée-Paris
「狂乱の時代」と呼ばれた1920年代になると、いくつかの素材の出現により、新しいタイプの人形が誕生します。やわらかいボディで髪はなく動く目をして、生まれたばかりの赤ちゃんによく似た「プポン(赤ちゃん人形)」です。

「ブルエット」という人形は華々しい成功を収めましたが、その背景には、『シュゼットの一週間』のような子ども向け新聞の存在がありました。こうした新聞は、少女たちが参考にできるようにと、ブルエットに着せるための衣装を毎週提案し、型紙を掲載したのです。

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