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オペラ・ガルニエ バックナンバーを読む
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▲オペラ座正面
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris
親愛なる日本の皆さまへ

クリスマスや年末のイベントシーズンに、パリ、オペラ・ガルニエ(オペラ座)を訪れることほど素敵なことはないでしょう!公演を鑑賞されるのはもちろん、足を運ばれるだけでも素晴らしいひとときをお過ごしいただけるはず。世界中で並びうる建造物がないほどの、その圧倒的な大きさと豊かな装飾……。このモニュメントはパリの中心で、昼間は忙しく立ち働く人々を見守り、夜はイルミネーションで辺りを華やかに照らし出しているのです。



▲オペラ座のファサード(作曲家ガスパーレ・スポンティーニの胸像)
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

▲フランスの盛期バロック音楽の作曲家リュリ(1632-1687)の像
©A. de Montalembert

ナポレオン3世(1808-1873)の命で造られたオペラ座は、大きな広場(オペラ広場)と劇場、デパート、公園、新しい大通り(オペラ通り)などを誕生させることとなった、セーヌ県知事オスマン男爵(1809-1891)のパリ大改造において、最も華々しい建築物でした。そして、この栄えある建築物のためのコンペで見事、栄冠に輝いたのは、シャルル・ガルニエ(1825-1898)。当時まだ35歳の無名の建築家でした。長い工期の間には、数々の困難(コスト、戦争、帝政の崩壊)に直面することとなりましたが、着工から15年後の1875年1月15日、ようやく落成の日を迎えることとなりました。オペラ座は、古代から古典主義まで、多様な時代の様式を取り入れ、装飾が施されています。こうした折衷的かつ豪奢なスタイルは、19世紀後半の建造物を代表する様式となりました。しかし残念なことに、皇帝はこの傑作を見ることなく、この世を去ってしまいました。


▲オペラ通りに堂々と構えるオペラ座
©A. de Montalembert

オペラ・ガルニエを鑑賞するには、まず少し離れてオペラ通りへ出られることをおすすめいたします。オペラ座の眺望を楽しむのに邪魔にならないよう、という皇帝の望みのままに、木が1本たりとも植えられていないことに、すぐにお気づきになるでしょう。そしてオペラ座を前にすると、色彩豊かなファサードと華やかな飾りが圧倒的な印象でわたくしに迫ってきます。建物の1階部分がせり上がっており、7つのアーチ形の開口部が設けられています。16の石の円柱が並ぶロッジア(開廊)の上は、豊かな装飾が施された2階部分です。そしてクーポル(円屋根)の頂には、空に向かって高々と竪琴を掲げる音楽の神アポロン像が……。この竪琴のシンボルは、柱頭と扉の取手にも見ることができます。さらにその両側には、金色に輝く彫像が立ち並んでいますが、左側が「ハーモニー」、右側が「ポエジー」を表しています。ロッジアの上には、モーツァルト(1756-1791)やベートーヴェン(1770-1827)など名高い作曲家の銅製の胸像も並んでいます。また、ファサードを飾るかの有名なカルポー(1827-1875)の《ダンス》をはじめとする彫刻群も、決してお見逃しにはなりませんように。実を申しますと、このカルポーの《ダンス》、1964年にベルモンド(1898-1982)が制作したレプリカです。本物は大気による汚染を避けるために現在、オルセー美術館に保管されています。本物をぜひご覧になりたいという皆さまは、美術館まで足を運ばれてみてくださいね。


▲ロッジア
©A. de Montalembert

▲クーポルの頂
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

▲黄金の彫像「ポエジー」
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris


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