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オペラ・ガルニエ バックナンバーを読む
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▲大理石の欄干
©A. de Montalembert

大ホールを出ると、かの有名な大階段に出ます。大ホールと同じ幅で造られた大階段は、オペラ座の名声を高めている重要な一部です。色彩鮮やかな大理石の円柱30本と白い大理石のステップ、素晴らしい赤い欄干――。まさに大理石の祭典といえるでしょう! 天井のフレスコ画は、アポロンをテーマに描かれています。たくさんのバルコニーからは、階段を上ってこられる方々を眺めることができ、階段の一番下には、カリエ=ベルーズ(1824-1887)が手掛けたブロンズ製の飾り大燭台があります。光のブーケを手にした2体の厳かな女性像が、大ホールへと続く階段を照らし出しているのです。また、ここからロビーや図書館・博物館へ行くこともできます。この図書館・博物館には、1669年以降オペラ座で上演された演目の楽譜すべてと、ダンス、歌、音楽に関する資料8万冊が収められています。

▲▶オペラ座の名高い大階段
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

▲大階段の上にのぞくのはアポロンをテーマに描かれたフレスコ画
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

▲「グラシエの間」
©A. de Montalembert

その後わたくしたちは、「グラシエの間」へと向かいました。ここは経費節約のために装飾が簡素になっています。オペラ座のオープン後に完成したこの心地よい円形の間は、1900年代の古き良き時代の魅力的な面影をたたえています。「グラシエの間」は休憩場として使われていた空間で、壁に掛かる8枚のゴブラン織りのタピスリーは、紅茶やコーヒー、ワインなど、ここで振る舞われていたものを表しています。

▲床を飾るモチーフ
©A. de Montalembert

「グラシエの間」を抜けて広いロビーへと戻ると、そのふたつの空間が放つコントラストに驚かされることでしょう。といいますのも、修復を経てロビーは、完成当時の輝きを取り戻したからです。そこには一分の隙もなく、鏡や絵、彫刻が配されているのですよ! ロビー手前の丸天井には、イタリア人アーティストたちが制作した金色の地に色とりどりのモザイクが輝いています。床に施された花のモチーフもお見事のひと言でした。

ガルニエは、大ロビーをあたかも広大な宮殿の大広間のように設計しました。両端に暖炉がしつらえられ、その上の天井にはガルニエ夫妻の顔を象った金色の彫刻があります。10ものブロンズのシャンデリアが光を灯し、5つの大きなガラス窓には刺繍のある絹の豪華なカーテンが掛けられた大ロビー。その向こうにはロッジアが広がっており、オペラ広場とルーヴル美術館まで続くオペラ通りが一望のもとにできるのです。ぜひ皆さまご自身の目でその眺望をご覧になってくださいね。この素晴らしいモニュメント全体が見事な調和をなしているのは、ガルニエというひとりの天才の手によるものだからにほかなりません。ガルニエは、数多くの友人の芸術家たちに協力を仰ぎながらも、細部に至るまで徹底的に考え抜き、決定していったのです。

▲宮殿の大広間のような大ロビー
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris
▲刺繍が施された絹のカーテン
©A. de Montalembert

▲ロッジアから見たオペラ広場
©A. de Montalembert

▲新たに誕生したブティック
©A. de Montalembert

しかし、オペラ・ガルニエは決して“過去の遺産”にとどまりません。最近、新しいブティック「ラ・ギャルリー・ド・ロペラ」が、壮大なクーポルの下に誕生したばかりです。ここでは、オペラやダンスに関する数多くの品々を見つけることができます。そして、オペラ座の屋根にある蜂の巣からとれる蜂蜜――。とても美味しい逸品ですが、おそらく世界一“高い”蜂蜜のひとつでしょうね!


親愛を込めて。


▲アポロン像
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

▲大ロビー
©A. de Montalembert

▲大ロビー前室
©Le Palais Garnier, Photos Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Paris

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