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ブルトイユ城 バックナンバーを読む
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▲「漆の部屋」に置かれたプルーストの蝋人形
©Michel André

「漆の部屋」は、その名の通り漆塗りの家具が置かれた部屋。ベッドに横たわる蝋人形は、アンリ・ド・ブルトイユに招かれ、城に滞在していた大作家マルセル・プルースト(1871-1922)にほかなりません。アンリ・ド・ブルトイユはプルーストの小説の登場人物のモデルになっているのです。

▲王妃の首飾りの複製が飾られた「宝物の間」
©A. de Montalembert
▲《テッシェンのテーブル》
©Éditions Gaud

「育児室」には、揺りかごとシーソーがあり、一家の子どもたちのために使われました。小さなサロンには、ナポレオン1世のエジプト遠征を思い起こさせる品、シャルル・ド・ブルトイユが、ルイ16世の弟、国王シャルル10世(1757-1836)から贈られた『エジプト誌』26巻があります。「宝物の間」に飾られた《テッシェンのテーブル》はよく知られた逸品。金箔を貼ったブロンズの仕切りの中に128個のさまざまな宝石が埋め込まれたテーブルで、まさに珠玉の作品といえるでしょう。オーストリアとプロイセンの和平交渉に尽力したお礼として、1779年にオーストリアの女帝マリア=テレジア(1717-1780)からブルトイユ男爵(ルイ=オーギュスト)に贈られたものです。またこの部屋には、先にお話しした、かの有名な王妃の首飾りの複製も展示されています。

▲マリアンヌ・ロワール《青いドレスのガブリエル=エミリー・ド・ブルトイユ》 1748年頃
©Saint-Genès

フランス史上最初の科学者で、デュ・シャトレ公爵夫人として知られるガブリエル=エミリー・ド・ブルトイユ(1706-1749)に捧げられた部屋もあります。ヴォルテール(1694-1778)の友人でもあり、文学や芸術にも関心のあった彼女を、コンパスを手にした姿で描いた、マリアンヌ・ロワール(1715-1769)による肖像画が飾られています。

「音楽の間」には、ルイ16世時代の美しい肘掛け椅子と、ラ・フォンテーヌ(1621-1695)の寓話を描いたタピスリーがあります。どちらも長年、この城で受け継がれてきた名品です。タピスリーに描かれた長靴を履いた猫たちのオーケストラは生き生きとしてかわいらしく、今にも動き出しそうなほど。

1階の食堂では、1905年5月3日にイギリス王エドワード7世がブルトイユ城にやってきた様子が再現されています。そして、19世紀に造られた聖堂には、シャルトル大聖堂由来の15世紀の素晴らしい小さなステンドグラスが3点あります。

地下には、使用人用の食堂があり、この城にかなり多くの召し使いがいたことを示しています。ここでもまた、城で働いていた人々の様子が蝋人形で再現されており、台所では、召し使いたちがエドワード7世のための昼食を準備中です。


▲シャルトル大聖堂由来のステンドグラス
©A. de Montalembert

▲使用人用の食堂
©A. de Montalembert

▲食事を準備中の台所
©A. de Montalembert

階段の下の右手で「眠れる森の美女」に出会えば、子どもたちはきっと大喜びするに違いありません。ここでは、ドレスを着た「眠れる森の美女」が王子様によって100年の眠りから目覚めさせられる場面が再現されています。このほかにも、「青髭」や「あかずきんちゃん」「おやゆびひめ」「シンデレラ」を探して、素晴らしい庭園や迷路をお散歩なさってみてください。


▲ペローの童話『眠れる森の美女』の再現
©A. de Montalembert

美しい庭園がある上に、パリからも近いこの優美な城は、パリジャンたちに人気の場所です。1年を通じて、ソワレやダンスパーティー、結婚式など、壮麗な催しが行われ、賑わいを見せているのです。

親愛を込めて。


▲庭園にある迷路
©Milochau

▲帝政時代風のダンスパーティー
©Michel André

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