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シテ科学産業館 バックナンバーを読む
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▲公園から見た「ラ・ジェオード」の眺め
©A. de Montalembert

▲直径36.5mの鏡の球体「ラ・ジェオード」
©A. de Montalembert

ここから、絶え間なく変化する水や光や空を映し出して輝く球体「ラ・ジェオード」へと向かいます。直径36.5mにも及ぶ鏡の球体は、テクノロジーの快挙といえましょう。外壁は6,433個の三角形の鋼鉄の鏡で構成されていますが、一枚一枚がぴったりと合うには1mmの十分の一という精密さが必要だといいますから、それはもう、奇跡的なことではありませんか。その内部は、フランスで一番入館者の多い映画館となっています。オムニマックスシステムを使った1,000uのスクリーンがあり、非常に大きい映像を楽しむことができるのです。ステレオ装置の付いた椅子に座ると、思わずめまいを感じてしまうほどの臨場感です。映画館では、いつもオリジナリティ溢れるとても興味深いプログラムが用意されています。現在は、オランウータンの赤ちゃんに人生を捧げたふたりの女性についての映画『Born to be wild』が上映されています。


▲シテ科学産業館の2階
©A. de Montalembert

2階では、企画展も行われています。「ガリア人、びっくり仰天の展覧会」(2012年11月2日まで)は、考古学的発見に基づき、わたくしたちフランス人の先祖であるガリア人について新たに分かった事実を教えてくれます。ガリア人と聞いて、多くのフランス人が思い浮かべるのは、漫画『アステリクスとオベリクス』のイメージでしょう。漫画では、ガリア人は角の付いた兜をかぶり、縞模様のズボンを履いて、森の中で暮らす民として描かれています。展覧会を訪れた来館者は、発掘現場へと導かれ、あたかも考古学者になったつもりで、さまざまな品(土器、金属、硬貨)を探し出しながら、ガリア人についての理解を深められるようになっています。ガリア人は小屋に住んでいたのではなく、オピダムとよばれるきちんと構成された町に暮らしており、住民たちは社会的・政治的・宗教的に組織され、高い技術も持っていたことが分かります。


▲「ガリア人、びっくり仰天の展覧会」展の入り口
©A. de Montalembert

▲金の指輪/「ガリア人、びっくり仰天の展覧会」
©Inrap

ふたつ目の企画展「海洋、気候とわたしたち」(2012年6月まで)は、地球上の70%を占める海の役割について、気候の調節という観点から知ることができます。二酸化炭素を排出する人間の活動が地球の温暖化へ与える影響や、温暖化の結果として、氷が溶け、海面が上昇していることの問題点などについて考えさせられます。


▲館長のクローディ・エニュレ氏
©CSI / Sophie Chivet

今や、シテ科学産業館は、フランスで4番目に来館者が多い“ミュゼ”です。館長のクローディ・エニュレ氏は、ヨーロッパ女性として初めて、ロシアの宇宙ステーション「ミール」や「国際宇宙ステーション」に何度も滞在した方ですから、皆さんもご存じかもしれませんね。

ここは、“ミュゼ”であると同時に、「デジタル交差点」とよばれるサイバーベースや「職業館」「保健館」、さらには、科学やテクノロジーに特化したヨーロッパで最も大きいメディアテックもあります。そして、科学やテクノロジーの発展について最新の情報を得るために、重要な文化施設であると同時に、研究機関にとっては、社会が提起する問題について話し合うための場ともなっているのです。

友情を込めて。


▲エントランス・ホールのガラス張りの丸天井
©A. de Montalembert

▲「子ども館」には蝶の飼育室もある
© CSI / E. Bartolucci

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